第5話 承認欲求の怪物




承認欲求の怪物に手を出してはならない(戒め)





隔夜夢、最下層、夜


ウォオオオオオオオ!!!!


背筋のゾッとする悍ましいうめき声が響き渡る。

上層でまた 奴 が暴れているようだ。



「奴とは誰の事です?」

シヴァは男に尋ねる。



「奴は通称『承認欲求の怪物』だ」



『承認欲求の怪物』

それは『作者のなれの果て』のひとつ。

よくわからない因縁をつけて

ひたすら攻撃的に周囲に噛みついて暴れまわる。

他の作者の精神を削っていく恐ろしい魔物だ。



『あの・・・こんな危ないネタ書いて、本物が来ても知りませんよ?』



それは大丈夫だ。

奴らは上層の作者しか相手にしない。

特に底辺は相手にしない。

俺は底辺だから大丈夫なんだよっ



『ああ、そうですか・・・』





$$$





男は窓の外から望遠鏡で

上層をのぞく。



「何をしているのです?」



シヴァが耳元でつぶやく。

「どわ、・・・それ、ぞわっとするからやめろ」


「うふふ」



そのだな・・・

承認欲求の怪物の姿でも見ようと思って


かかわってはならないモノだが、その存在を遠くから見たいという欲求はある。



『なんというクズい野次馬』



く、それもあるが・・・

奴らは作者のなれの果てだからな

俺にも当然、理不尽を感じて攻撃的になりたいという思いもなくはない。


だからこそ、

見定めねばならん



とはいえ、自分に被害が及ばないように安全な場所からみるのだった。




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