ようこそ、意味不明な文字の世界へ!

あああああああああああああああ

まずはご挨拶。



 ……。



 ………………ああ、居たのか。



 ……ふふ、何だか訳がわからない、といった顔をしているね?


 うん、まあ無理もないさ。君はここに来て、まだ67文字しか読んでないんだから。


 ……さっきので10文字は増えたな。まあいい、君もこんな所まで来て雑談を望んでいる訳じゃないだろ? 簡潔に、スマートにいこうか。



 さて、自己紹介と現状把握だ。


 ……なに、そんな嫌な顔をするな。ささっと終わらせるよ。



 私は文字だ。文章であり、本でもあるかな。だって文字がない本なんて……只の紙束じゃないか。


 おっと失礼。こうやって話し続けずにはいられない性分でね……なに? そうじゃない?


 ああ……意味が分からない? おかしいな。逆に問うが、君には私がどう見えてるんだ?


 そう、文字だ。当たり前な質問をさせないで頂きたいね。



 ……君が混乱しているのは理解している。だから、その混乱を解くためにも、少し私の話を聞いてはくれないか。





 ……ああ、感謝する。君は聡明なんだな。


 さて、現状把握の時間だな。




 ……ふむ。話すとなると何処から……そうだな……



 ……ああ、君は何処まで覚えてるんだい? それが分かれば話しやすい……何?



 全く? 一切合切忘れてしまったのか?





 ……そうか……つまり、君は今「全く知らない小説」を読んでるのか……


 そうなってしまった理由が気になるが……さて、どうしたものか……



 ……それなら私が話そう。君が思い出すのを待つよりはいいだろ?




 ……だからそんな嫌な顔するなって。ま、「有象無象のその辺の小説を読んでる」様な気分で……そう、楽しめばいい。


 記憶がないなら、これは君にとってかなり興味深いものになるだろうし、な。




 ……私はあと5■46■■7しか残っちゃいない。その時間、その羅列をどうか楽しんでほしい。


 ……さて、こういったものに前置きは必要だよな? 話すのは苦手だが、君を「少しでも楽しませる」……違うな、「君が話の主人公になる」ために私が「これ」を彩ろう。






 ……さあ、物語を始めよう。


 その前に少し、問うておかなければならない事がある。準備はいいかな?


 君は君の人生を間違った、と思ったことはあるかい?


 君は君の人生を悔いた事はあるかい?


 君は君の世界を疑った事はあるかい?


 君は君を疑った事はあるかい?


 君は私を疑った事はあるかい?


 ……私に、君の答えは知れない。画面の奥の人物の心は読めないんだ。


 ただ、これは言える。


 君は否定的だ。だから間違った。


 疑い過ぎた。悔いすぎた。だから「疑い」と「過去」を盲信した。


 だから君は此処にいるんだ。幸か不幸か。



 ……さあ前置きは終わり、物語は始まっていく。


 君は今自由だ。右上の×を押してもタスクを消してもいい。ホームに戻る人も閉じる人も居るかな。


 ただ、このまま……現実を、世界を把握したいなら。……1150の私をみて、少しでも興味が沸いたなら。






 どうか、ページを進めて欲しい。






※文章は続いている。

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