第22話 反撃
仲間が来たところで、戦況はあまり変わっていないだろう。
現に、アリスやファイが放った魔法も、カイとマッチョウが中心となっている直接攻撃もまるで効いていない様だ。
しかも、相手がさっきまで1体だったはずが、3体ぐらいまで増えている。
いくらほとんどのゴブリンを殲滅しても、ものすごく強いものが複数現れたら、正直、勝てるかどうか不安だ。
しかし、俺には仲間がついている。
それは、俺に大いなる救いをもたらす。一緒に戦ってくれる仲間がいることが、嬉しい。これだけで気持ちがだいぶ違う。生きていていいと思える。一つになれた。ありがとう。
さて、どうやってこいつを殺そうか。胴体や足にいくら叩き込んでも倒れそうに無い。………では頭はどうだ?
構造や急所が人間とほぼ同じなら、確実に隙を作り、倒せるはず。ただ、普通に攻撃しても倒せない。
そうだ、顔面に叩き込めば上手くいくかもしれない。
やるしかない。いや、やらなきゃ
俺は覚悟を決めた。
「うりゃぁぁぁ!」
俺は最前線に躍り出て、そのままジャンプし、顔面に剣を突き込む。目の中に刺さった剣を根元まで差し込み、胸元をけって退避する。ゴブリンは痛みに苦しむ間も無く絶命した。
「よしっ。成功」
俺は思わずガッツポーズ。脳みそを突いて殺すのは得策だったようだ。
うおおぉぉぉぉぉ!
周りからものすごい歓声。いくら戦っても殺せない強敵を一体殺すことが出来たので嬉しいが、まだ敵がいたことを忘れてはいけない。
歓声は拳を振り下ろす風きり音にかき消された。避ける冒険者たち。
「頭だ!」
あいつの弱点を叫ぶ。
後ろに回りこみ斬りつけたところで、もう一体敵がいたことを悟る。
ちょうど突進してきたところだったので、その威力を利用しカウンターを仕掛けた。ゴスッという鈍い音。
何とかダメージを与えたようだ。そのまま戦闘を開始。頭に集中攻撃を浴びせる。
俺唯一の高火力攻撃魔法、メテオも活用して攻撃する。隕石で横殴りにして見たり、うなじをそぎ落とそうとしたり、喉元を突いたり。しかし、どれも致命打にはならないようだ。考えろ俺……。
…………仲間を呼んで高火力で攻め続ける…………いや、すぐに息切れを起こすだろう。…………ほかの弱点を探す…………駄目だ。それまでに俺が殺されかねない。ほかにいい方法はないのか……! はっ。あれを使えば何とかなるかも……!
俺はアリスを呼んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます