一月二十五日、二十六日

 二十五日。

 夜中。目が覚めるとカーテンのすき間から月あかりが射している。床に細くしもがおりている。……

 あるいは、このあかりが銀のつななら、宙までよじ登っていけるだろうか。吊り下げられた星々を打ち鳴らしながら、そこにしかいない新しい友人を探しにいけるだろうか。

 たどり着いた月は、輝く綱でまれた工芸品だろう。また編まれたり、ほどかれたりを繰りかえして、いつも形を変えている。


 二十六日。

 発熱。二三日不調の末。で、横になるも眠れないので空想で遊ぶ。時おり夢も見た気がするけれど思いださない。

 ほとんど曖昧あいまいな、父親との思い出というような、なにかそんな夢もあったかもしれない。

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