一月二十二日
夜の電車に揺られて街へ出る。並ぶ
観たい映画のために来たのだけれど、まだすこし早い。古書店の
木の床の、やや手狭に思われる店内で、けれどもどの本も丁寧に背表紙を見せている。最近、気が付くと開いてしまうのは、安野光雅の絵本『ふしぎなえ』。遊び心と
……数十分の物色ののち、荷を増やさずに店を出る。夜の古書。目に残る文字の残像。物語がありそうに思う。
映画館。半券を
開始間際になって、ひとりかふたり入ってきたようだったけれども振り返らなかった。……ベルの音。わずかに落ちる客電。静けさ。……
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