一月十四日、十五日

 十四日。

 友人宅をたずねる。まだ小さいお子さんが、はじめ慣れないでこちらをうかがっていたのが、次第に近くにきて遊んでくれるようになる。

 小袋入りの菓子をひざや床にあふれるほど並べて、菓子屋のような光景。たくさんお喋りをし、お気に入りのものを見せてくれたり、積み木の家の仲間にいれてくれたりする。

 柔らかな髪と、に当たるとともる鉱石にも見える瞳が、友人によく似ている。


 十五日。

 夕。曇りの散歩。

 さいかみのところに水仙と南天とが活けてある。こういう心ある人は誰だろう。

 歩くうちに日が落ちて、南のほうから晴れてくる。あらわれたのは光りはじめた半月。冷たい風にくしゃみをする。

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