十一月二十五日、二十六日

 二十五日。

 名古屋市科学館『スイーツ展』を観覧する。

 おむかえは、花咲くようにかざられた巨大なキャンディ。うすかりが甘い香りを運んでくる。

 面白い構成の順路で、作品「マルシェ」の前を通るときなどは秘密の街路を行くかに思った。

 砂糖色の城下。深遠なチョコレート。図書館の棚はアソートボックス風。フルーツやジェリーを乗せた動物たち……。

 思わず目をこらす小さな世界の展示もある。うっとり、きらきらがいろどる、お菓子の国への小旅行だった。


 二十六日。

 カラフルなポップコーンをおやつにする。これはお菓子の国のお土産……同行したひとが記念にくれた。

 こういうのはおとぎの材料にぴったり。魔法のかかったお菓子が好き放題にしてくれる。

 お茶をれるまで大人しくなどしていないし、皿のうえでは舞踏会、口に入れたら弾けてしまう。……

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