十一月二十一日、二十二日

 二十一日。

 道を歩くと、数メートルある皇帝ダリアが居並んで、こちらを見おろしてくる。そのうちに囲まれて、散歩人はどこかの世界に連れていかれるだろう。

 庭。おたふく南天が紅葉している。こちらは背が低くて、妖精のもみじ狩り用か。


 二十二日。

 びわの花が咲く。寒さに合わせたような、あたたかみのある白。

 昇りはじめの月はきたえられてすぐのはがねいろ。林の向こうから新しい時間を吊りあげてくる。

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