平成三十年・冬

十一月七日、八日

 七日。

 立冬。これほど天気のよい日には、たいていの家の庭に布団が出る。あついものうすいもの、布地の色もさまざまに、光にりつけられた絵の具皿が広がるよう。

 西の杉山は紅葉こそしないけれど、早朝に夕時にく雲をまとう。天とすそとのきょを近くする。


 八日。

 秋があとひく日暮れの村は、山影にさみしく抱かれている。

 そらはしとどまる暖色のおり。わずかのあいだ大気にかき混ぜられ、少しずつ向こうにこぼれていく。

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