九月五日、六日

 五日。

 昨日の雨と風とでたおれてしまった、畑のいろいろなものの手直しをする。

 道に出る。クヌギの若い実がばらばらと落ちている。目の前を、青いろのトンボが飛んでいく。……

 夜。りたてだという茗荷みょうがをいただく。薄紅うすべにびた、まるい形。独特の香りがこのましい。


 六日。

 夕。風はもうすずしくなった。昼の暑さを忘れて、雲のはしが銀にちぎれていく。

 夜。水彩絵の具をさわる。絵をくというよりも、色を見ているというふう。心地よく、気もちをゆるめることができる。

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