八月十日、十一日

 十日。

 テッポウユリがさかんにいている。暗い夕ぐれに浮かぶ細いすがた。白い肌。……いまさらながら、今年はネムの花を見なかった。


 十一日。

 歌と朗読ろうどく舞台ぶたいを見る。夏らしい、さわやかな恋の話だった。

 夜。明日からの旅行の支度をようやく終わらせる。数日、あしで書いてきた気のするこの日記もしばらく休みになる。

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