四月十九日

 夢。二羽のフクロウが友人。

 一方は白い毛羽で、つばさや尾のさきがあわい空いろをしている。きよらかな銀の双眸ひとみ。もう一方はほとんど黒に近い茶いろの毛羽。同じく翼や尾のさきに、金と思しきすなかれている。その双眸ひとみも立派な金。

 この友人たちと生まれ故郷を歩く。向こうは翼があるので飛んでいるけれども。

 ちいさな頭を撫でると心地よさそうにぶたを閉じて、すりすりとねだる。すべらかな毛。温もりごしのがいのかたち。


 鳥の夢を見るときは、おだやかなことが多い。以下は三月六日の記。


 ほどよい長さで奥ゆきのある夢をいくつか見る。

 わたしはたぶん鳥の眷属けんぞくかなにかで、そのつど鳥つかいだったり、鳥そのものだったりする。精神の滋養、慈愛に満ちた雨を全身に浴びるような夢。

 樹海のなかの小部屋でさまざまな薬草が育っている。手を加えているものもあり、勝手に生えてきているものもある。たる樹々にす苔が美しい。

 夢のなかのわたしという意識、また無意識は過不足なく生に満ちていた。わたしという存在を忘れながら、けれども確かにわたしだった。……

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