四月六日

 家のまえの道を自転車に乗った男児が行った。親戚の子で十くらい。

 一瞬だったけれどこちらに気が付いたらしく、片手をやわやわと振っていた。気恥ずかしげなのが伝わって、こちらもやわやわと振り返した。

 目に残る若苗色わかなえいろのヘルメット。先日、一緒になって作った箱苗はこなえの精にでもなったのだろか。春をかむ童子どうじが車輪を転がしてこようとは。

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