異世界カンジー
因幡 天兔
第1話 死にました
まずは自己紹介をしよう。
俺の名前は
そんな俺がなぜ、こんな場所にいるのかというと。
■
俺は書道部に入っているが、今日は部活が休みということもあり、他の生徒より早く帰っている。
季節は夏。家までの帰り道に日陰という日陰もなく、肌着が肌に張り付いていた。
家にも俺が帰る時間には両親どちらも出払っていて、家には誰もいない。
家は和モダンであまり涼しいとは言えないが。
家に着いたが、やはり誰もいなくて、家の中は蒸し暑い。そんな日には冷たいものが飲みたくなるよね。
俺は冷蔵庫のあるダイニングキッチンに向かった。冷蔵庫の中には黒い炭酸飲料。コーラのラベルが書かれたペットボトルがキンキンに冷えて置いてある。俺はそれを手に取り、キャップを開ける。一度開いていたのか、炭酸を開けた時のあの音が聞こえなかったが。
ゴクゴクッ
おえぇぇ
親や兄弟が書道をやっていたらわかる人もいるかもしれないが、作った墨汁をペットボトルに入れてる人がいるんだ。俺の親もそうだったみたいで、俺が飲んだペットボトルの中身もそうだった。
そのあとは目の前にいる人から聞いたんだけど、俺、墨汁を飲んだショックで死んだらしい。なんとも恥ずかしい限りだ。
■
「で、君はこれからどうしたい?」
「うーん、やっぱり転生ですかね」
目の前のアフロな
まぁ、中学生で異世界物の本を読んでいる俺からしたらもちろん転生一択なわけで。
「で、何か転生特典みたいなのってもらえるんですか?」
「いや、そんなもんないよ。君は知識を持っていくわけだしさ」
なんと!転生ものお決まりの最強能力はもらえないんですか?!
「じゃあ、転生ってことだからがんばってねー」
アフロの人は俺に手を振る。いやっちょっとまっ―――。
俺はそのまま意識をなくした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます