第8話 交わり

とことこと走ってくるのは今朝も見た顔で、

春梨さんだった。

「冬柑さん探しましたよ」

少し息切れしている。

「どうしたんですか?」

私は同じ年に敬語を使っているのに違和感を感じるがまぁどうでもいい

「おね…えっと柚秋さんが予定があるらしく一緒に帰れなくて、私たちに買い物行ってほしいらしいです」

ん?

「お姉ちゃんがそう言ってたんですよね?」

「はい」

すこしおかしい。今日3人で買い物に行く予定で、予定が変更になったのにお姉ちゃんがそれを私に言わないのはおかしい。

「少し待っていて下さいね」

「はい。」

と少し疑問を持って、首を傾げた春梨さんから目を背け、スマホに目を落としアプリを立ち上げる。

チャット出来るアプリで友達は数人しかいない。ほとんどお姉ちゃんとしか会話してない。

「お姉ちゃん?」

私はメッセージを送る。

即レスポンスがくる

「どうしたの?」

「今日どうして、来ないの?」

文面で勘違いされそうだけど、それは私の事をよく知るお姉ちゃんに甘える

「えーと、三人での買い物の話だよね。私ちょっと残業してて」

「珍しいね?」

「まあね。この時期は仕事があるらしくて忙しいんだよ」

「そっちじゃない。私に連絡しなかったこと。」

少し間が空き

「ごめんね。今まで仕事忙しかったから」

「むぅー」

「ごめんね、まぁ仲良くなると思って、春梨ちゃんと行ってきてよ」

「嫌だって言っても日用品ないから行くけど、今度からはちゃんと連絡してよ」

「分かった。気をつける。」

画面を暗くして落ち込んだ自分を顔が写ったのは気にせずに顔を上げ声を発する

「ほんとですね。じゃあ行きましょうか」

私は覚悟して行こうとするが春梨さんが声をかける

「私と出掛けるのそんなに嫌でしたか?」

と。私は

「嫌ではないですけど、お姉ちゃんが来ないことが残念だっただけですよ」

「そうですか、なら良かったです。」

安堵の表情が見れる。と私は少し安心する。

安心?

「じゃあとりあえず行きましょうか。」

私たちは学校を後にする。

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