奸婦

戯れ

「まだ早いわ」


「どうして?もう40分も経っているのよ」


「貴女はいつも焦りすぎよ。何事も、時間をかけるほど良い方向へ向かうものなの。これを機会に学びなさい」


「でも…」


「ほら、そろそろ良さそう」


「これで完成?」


「そうね、あぁこれを足してあげないと。いいわよ」


「美しいわね、さあ、早く」


「焦らないで、真由。落としてしまうわ」


「分かっているわ。ねぇ、これで何度目かしら」


「数えるなんて野暮なことするわけがないでしょう」


「それでも、思い返すくらいなら…付き合ってくれるでしょう?」


「本当に物好きね。じゃあそれが終わったら、私のにも付き合いなさい」


「もちろん。あっ、私にはブルーの方を取って」

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奸婦 @mari_dokusyo

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