第51話 『決戦』 その1
「我々は、地球の再生が可能かどうか、内部で賭けを行う事としたんですぺな。まあ、こうしたやり方は、地球人の作った映画とか書物なども参考にさせてもらったです。また、最近には、こちらの『地主』さんの知恵もお借りしたのであります。まず『地球上』に対立する二つの勢力を作り出すぺな。これが、旧勢力であった『人類』と、新興勢力である『ロボット』ですなあ。ロボットの製造に関しては、多少、当初、力をお貸ししましたよ。とある政府あたりに。」
「なんと・・・・」
「ただし、我々は、基本的にはそれ以上は介入はしない。当面は、観察させていただくことにしたのです。そこで、永く宇宙から観察していました。月の裏側に基地を設けていたのです。しかし、人類の力が伸びて、月の裏側は、あまり良い場所でもなくなってきた。それに、そうは言っても遠いしね。もっと近くで見たいから、地主さんに相談して、ロボット政府とも交渉して、あのモールを作らせてもらったんです。で、軌道エレベーターも設置しました。あの『軌道保持ビル』部分には、われわれの専用住居もあるのです。」
「あがががが・・・・・・」
「ロボットたちは、最初は人類の保護下にあったが。やがて独立進化し、主権を握りました。このまま地球人類は、ロボットさんたちの下僕となるかと思ったが、そこは人類もなかなか賢くてですぺな、うまい具合に、自分たちの居場所を確保した。しかし、ロボット優位は確定的でした。我々としても、いつまでもここにいるわけにもゆかず、頂くものは頂いて、遠からずには、また旅に出なければならない。地球は、我々にとって、究極の永住の地としては、やや物足りないのです。いや、いささか、もったいない、のです、と言い直しましょう。ちょっと小さすぎるのです。地球はね。」
「はあ・・・・何を、貰うって?」
「まあ、海のお水と、太陽エネルギーですな。それと、月と、それなりの小惑星とね。我々に必要なものが確保出来るから。」
「そりゃあ・・・・きっと、いやだろう。地球にとっては困る。」
「まあ、多少は問題が出るが、もはや致命的ではない。だって、現状でこの状態ですから、我々の生活支援システムは残して行くから、1億年くらいは問題ないですよ。その先は、あなた方の子孫が何とかすればよい。」
「むむむむ。聞いて居れば、身勝手な!」
「まあまあ。押さえて。そこで、ここからですよ。実は地主さんからも、いささかクレームを頂きました。」
「あたりまえでしょう。」
ここまでは、ぼくと、この謎の、世界的『あんぱんチェーン・ショップ』のマスコット『あまったるおじさん』みたいな宇宙人との会話です。
そこへ、再び、『地主』さんが会話に入り込んできたのであります。
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