第39話 『元祖』 その4
そてぞれが聞き込みを終了した後、ぼくらは3階、テラスの喫茶オープン・スペースに集合していました。
「じゃあ、結果報告と行きましょう。」
キューさんが仕切りました。
前ならば、お嬢がぶつくさ、必ず言うはずなのですが、やけに大人しくなっております。
「ああ、まず、では、ぼくから・・、主様とストリートを行き交う人々から聞いたお話です。」
キューさんが続けました。
「すでに、お気づきのように、現在30分毎に、『主様』の儀式が、館内テレビで放送され、その際には例のガスが流れます。」
「すばらしいことぞな。」
スワンが言いました。
「そうかあ??」
ぼくは、ひたすら迷惑です。
一体、誰がこんなこと、やっているのか、まずは、そっちを探したいところであります。
「・・・したがって、『うんじゃあ まいやら なんのことやら』は、いまや、全館内で統一されてきております・・・・・・」
「ちょっとまてください。ねえ、キューさん、これじゃあ、キューさんが言うようには、言葉の流通経路はわかんないだろう。」
ぼくです。
「いいえ、違います。ぼくは、個々のうごきを逐一それぞれ、追いかけています。どこで、入力され、どう伝わるのか、全てね。」
「ふにゃー。あやしい!」
お嬢と、スワンからも報告がありました。
一方で、 ぼくのあわれな疑問は、また膨らみましたのです。
なんか、おかしいな。
とても、不自然な感じがするのです。
「・・・と、言うわけで、『うんじゃー まいやら』、は、この三階で、『うんじゃー まいやらー』と、衝突したと、みられます。」
キューさんが、まとめをしています。
「なので、次には、1階に降りて、さらに探ってみましょう。」
「おー!」
お嬢とスワンは、ノリノリでした。
ぼくは、すでに、くたくたで、あります。
でも、それから、ぼくらは、エスカレーターで、1階に降りてゆきました。
・・・・・ ・・・・・
丁度、その時、中央警察の精鋭部隊が、モールに到着したのです。
彼らは、上からやって来ました。
150階の屋上に集合したのです。
そこは、一般人は立ち入り禁止区域になっている場所であります。
屋上とはいえ、広大な広さがありました。
霧がかかり、雲が下に見えています。
そうして、そうなのです、はるかな向こうのようにも感じるのですが、信じがたいぐらいの、なんだか巨大な、なにものかが、この屋上を起点として、天のさらに彼方に、深く突き刺さって行くのです。
そこは、中央警察の、彼らロボット刑事さんたちでも、決して近づくことさえ許されない、神聖な場所なんでありました。
・・・・・・ ・・・・・・
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