第6回「真夜中の暴威」

ルナは若いだけありよく寝る。


夜行性のトビウオは夜中2時の街を徘徊していた。


「トビウオ、久し振りね」


ふいに呼ばれ、短髪の可愛いなんだが、思い出せない。


「えーと何ちゃんだっけ?」


見たところ20〜22歳くらいだ。


「ひょっとして覚えてない?悲しいなあ」


悲しい?まさかと思うんだけど。


「あの夜のことを忘れるなんて……」


あの夜?いつだって起きてるけどなあ。


その時横の建物から轟音がする。


ベースとドラムが頭を突き抜ける。


そこへエレキギターが炸裂。


デイドに違いない。


このギターは奴だ。


ザ・フーの「恋のマジックアイ」を高らかに歌いあげる。


「あのバカ、何時だと思ってんだ。知らねーぞ、また怒られるぞ」


短髪の女の子は「トビウオはデイドさんを知ってるの?」


「知ってるも何も……」


そうこうしてるうちに図体の大きな奴等が集まってきた。


「とりあえず避難しよう。君名前は?」


「ミカゲって呼ばれてる」


結局デイドの暴挙で我々は大変な目に遭うんだが……。


2018(H30)4/7(土)






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る