「俺の話を聞いてくれ」

カオス

第1話

「俺の話を聞いてほしい」


 日曜日の朝。寝起きに響いた親友からの電話はそんな一言で始まった。俺はまだパジャマを着て布団の中である。時間を考えろと言いたいところだが、そこはいつも世話になってるので勘弁してやった。


「なんだよ。改まって何かあったのか?」

 

 努めて冷静に返したが大抵奴の言うことは予想がついている。

 

「俺は、気付いてしまった。おっぱいの可能性に……」


 電話を切らなかった俺を讃えてほしい。親友は、真剣な声で言っていたのだ。

 

「で、どうせ胸のサイズの話だろ?」

「話は最後まで聞くのだ。戦友よ!」


 いつ間に俺たちは戦場にいたのか。受験戦争位しか一緒に戦った覚えはないぞ。

 

「フッ、サイズを気にするのは愚の骨頂である。俺は、身長とおっぱいとの比率による黄金比は何かと。スレンダーは貧乳であるべきか? 否だ! 低い身長で大きいおっぱいは、ロリなのか? 否だ!その答えは」


 俺は、そっと電話を切った。何故なら親友は、女の子である。男の俺には刺激が強すぎた。

 

「朝ごはん、食べないのー!?」


 さて、鳴り響く着信を無視して俺は食卓へ向かった。あいつとは相容れないのである。

 俺はロリ巨乳派だ。

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「俺の話を聞いてくれ」 カオス @khaos_san

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