第323話 わたくしだって! (3)

「……チッ! くそ、あいつ。僕の真似を……」


 遠く離れた場所、位置。


 そう、劉と曹の旗が黄砂を含む風に揺れ靡く場所、本陣と呼ばれる場所で、僕戦姫こと曹操孟徳は、袁術お嬢様が自身の臣下である袁渙えんかんへと出した指示を、自身の主、彼の産まれ育ったで購入した文明の機器を使用し、遠目でのぞき見しながら舌打ち、不満を漏らすのだよ。


「ふっ、ふふっ。曹操?」


「……ん? 弁姫様、何ですか?」


 太々しい顔、不満のある顔で双眼鏡から戦場、合戦、競技の最中──自身の臣下、おチビな兵達の動揺、混乱、同士討ち。


 だから刹那状態へと陥っている様子を窺っていた魏の覇王様、曹操孟徳の口から。後漢の女神、姫巫女様である劉弁姫殿下が意味深な笑みを浮かべ、言葉をかけてくるから。


 魏の覇王様は、太々しい顔、形相、声色で言葉が返せばね。


 弁姫様は、更にニコリと曹操孟徳へと微笑みかけながら。




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