第291話 そんな二人に対して、更に二名が(6)

 刹那──!


「ギャァアアアッ!」


「ピィー!」


「クェエエエッ!」


「ヒッ、ヒィーン!」と。


 紀霊将軍率いる、埴輪のおチビな装甲騎兵隊達と装甲木馬達が次から次へと断末魔、馬のいななきと共に消去、デリートしてく。


 それでも、魔王な董卓閣下と袁術お嬢さまの連合軍の先鋒隊である紀霊将軍は、身の丈に合わないような木馬に跨り、駆りながら。


 妖艶、『うっ、ふふっ』な、郭嘉お姉様の率いる魔法兵達の放った! 放つ魔法弾を避け──。


 爆炎、爆煙、砂煙の中を、の如く、早き事風の如しで、紀霊将軍は、彼女の言葉、台詞、声色とは裏腹に疾風迅雷の如く突撃を決行してくる。


 でも、そんな彼女の、勢い、行く手を阻むようにまた、率いる騎馬隊の援護をするように、紀霊将軍率いるへと新たな攻撃、下知が放たれる。


「長弓隊ー! 前にー! 撃てぇえええっ!」とね。


 そう、曹操孟徳の覇業に従軍──妹君の曹仁や曹洪の副将としても活躍した名将の一人である満寵まんちょう率いる埴輪仕様のおチビなからも、魔法の矢! 火の玉のような鏃のロングレンジ攻撃が放たれる。


〈シュン!〉


〈シュン!〉と。


 風を素早く、勢いよく切りながらだ。




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