第283話 第二部序章【悪しき思い】

「うぅっ、うっ、歯痒い。歯痒い……。な、何でお姉様が。弁お姉様が。あの、董卓仲頴と上手く、仲良くしているの……。これだと前世と話しが違う。違ってくるではないですか……。今度こそ妾が。妾がこの漢を完全に手中に治め、統一するつもりでいたのに。このままだと董卓の後ろ盾を得た。弁姉様の物になってしまう。この漢王朝が……。それだけは何としても阻止せねば。阻止せねばなりませんね。うぐっ、糞が……」と。


 何処からともなく呟き。


 それも、独り言の上に、大変憎悪、悪意に満ちた独り言が、何処からともなく、ではない。


 この漢王朝の中心都市である洛陽の宮殿の一室から独り言のように呟きが、『ブツブツ』と、独り言のように呟き、漏れ聞こえてきたのだ。


 それも?


 李儒李儒の女神様事、弁姫皇女殿下と、魔王な董卓閣下の、仲の良い様子を嫉み、呪い、不満……。



 悪意、憎悪に満ちた声音で独り言を漏らしているようなのだが。


 誰だろう?


 その者は?


 と、思いつつ、彼女、少女。


 そう、遠目から凝視をしても、大変に美しく、神々しい、中華後宮、仕様のドレスを身に纏う煌びやかな、金髪碧眼のエルフな姫君へと近づき、彼女が誰なのかを、注意深く観察してみる事にする。


 ◇◇◇







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