第268話 【終焉】李儒(理樹)と内気な姫殿下(2)
だから
「弁、ありがとう」
そして!
「弁もレベルアップおめでとう。心から祝福するよ」と。
「うふっ。ありがとう。あなた。これでわらわも以前よりも色々な魔法が使える。使用できるようになりました。ふっ、ふふっ」と。
弁姫殿下は相変わらず
だから
「だね。これで僕も以前よりかは、少しは真面に戦えるよ」と。
弁姫殿下の女神の笑みに応えるように彼も微笑んでみせるのだが。
でも、
しかしだなのだ!
だって彼を、
そう、彼が以前プレイをしていた【三國オンライン戦記】、この世界での主だったと言うだけで、
彼、主、夫に対して懸命、命懸けで奉公、尽くしてくれた事……。
そして、主君に対して、気だるげに話す、会話をする割には彼女、紀霊将軍の最後まで主君である袁術嬢への忠義を貫き通して散った。
そう、
ツンデレ、縦ロールが良く似合うお嬢さまの、袁術嬢と三尖刀を振るう怪力戦姫、紀霊将軍の事……。
あの時の二人の、桜の花びらのように散り行く様、様子を思い出せば、
だから彼は俯き、暗い影を落とす。
「……ん? どうした婿殿?」
「……何かあったの、理君?」
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