第259話 【敵討ち!】李儒(理樹)と内気な姫殿下(2)

 各部隊が真っ赤な光り。


 炎にでも包まれたように、【鋒矢の陣】の騎馬突撃を決行すれば。


 流石に埴輪の巨人兵の右足も、亀裂から足が砕け落ちていく。


 だから埴輪の巨人兵は横転する訳ではなく。


 前屈みで倒れ込み、地面へと横たわり始める。


 そんな巨人兵の様子を李儒理樹は凝視すれば。


(これでやっと袁術と紀霊さんの敵がとれる)と。


 自身の心の中で呟く。


(本当にごめんね。ごめんなさい。申し訳ない)と。


 李儒理樹自身の為に。


 彼の元【俺嫁】らしく振る舞い。


 この世界から消去した。


 デリートしてしまった袁術嬢と、彼女の臣下である紀霊将軍達二人の麗しい姿を李儒理樹自身は、脳裏で思い出し懺悔をすれば。


 彼の目尻は自然と熱くなる。


 そんな二人の容姿を思い出しながら李儒理樹自身は、最後の下知を下す! 飛ばすのだよ!


 自身の瞼、瞳に溜まる、垂れる物を腕で拭いながら、自身の周りに集いし戦姫達へと最後の下知を高らかに叫ぶのだ!


 こんな感じでね。


 前屈みで倒れ込んでいる埴輪の巨人兵の、みしるし首を上げ。


 二人の麗しい戦姫の敵をとるためにだ。



 ◇◇◇


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