第260話 【撃破!】李儒(理樹)と内気な姫殿下(1)

「典韋さん! 許褚さんは! 魔法スキル【猪突猛進】の発動をお願いしますー! 目標はぁあああっ! 前屈みとなっている巨人兵の顔をめがけてお願いしますー!」


 李儒理樹は、こちらを険しい顔で……。



 そう、只今、李儒理樹と睨み合い。


 こちらの様子を険しい顔。


「グッ、ググッ、グギャァッ!」と。


 自身の顔を上げ、奥歯を強く噛みしめ。


 歯痒い顔、不満のある顔、険しい顔で、奇声を上げつつ、こちらの様子を窺い、睨みつけてくる巨人兵の鋭い眼光に対して。


 李儒理樹は恐れ慄き、退く事ともなく、巨人兵の眼光を跳ね返し、敵に慈悲をくれてやる事も無く。


 彼は最後の下知を甲高く、声を大にして叫ぶのだ。


 威風堂々、凛とした姿勢で下知を、三國志の中でも最高の武力を誇る、上位ランク者ランキングベスト10に必ず入る。


 オークの悪来典韋嬢とオーガの許諸嬢の二人の戦姫へと、先程紀霊将軍が李儒理樹の面前で発動! 披露をした魔法スキル【猪突猛進】の下知をくだすのだ。


「あいよぉおおおっ! 李儒理樹の大将ぉおおおっ!」と。


 悪来典韋がいつものノリで笑みを浮かべ、明るく、明るい声音で李儒理樹へと承認、承ったと告げれば。

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