第159話 李儒(理樹)と内気な姫殿下【三】(17)

 そう、神々しく麗しいエルフの美少女がゲームのキャラクター、ヒロイン戦姫ではなくて。本当に生ある生き物。生物へと進化するための手助けを李儒(理樹)にして欲しいと誘ってくるように。彼女自身が持つ大変に美しく神々しいメスとしての裸体をオスである李儒(理樹)へと差し出し始めるかのように、彼女の華奢両腕をスゥとおろし曝け出すから。


「あっ?」と、「えっ?」と。李儒(理樹)の口から驚嘆が漏れ、彼の顔色が変わり困惑、動揺……。



「(何故彼女……。僕の目の前に裸体で水浴び……。この霧雨を使用して水浴びをしていたのかな、エルフの彼女は……? でも僕を。異性の僕を彼女は凝視して、自身の裸を見られたから恥ずかしと動揺……だけではないか? 男、異性である僕の自分自身の裸体を見られた。確認されてしまったからと嫌悪感と不快感を募らせ。募らせながら。自分自身の大事な個所を隠しながら。異性である僕から自分自身の身を守る。守護する気構えと勇んだ様子で睨みつけてきた。きていたはずなのに彼女は……。なのに、今は? 自分自身の大事な個所を隠す行為をやめて、自分自身の両手をおろし。おろしながら。僕へと今度は、自分自身の穏やかに緩ませ、微笑みかけてくれる……。そう、女神の微笑みと言う奴で微笑みかけてくれるから何故だろう?)」と。


 今度は李儒(理樹)の方がこんな感じで動揺、困惑を始めだすのだ。


 だから李儒(理樹)は咄嗟にこの場から「(な、何か、や、やばい。不味い気がするから。僕は、この場から逃げた。逃げ立ち去る方がいい気がする。するから逃げよう)」と。彼はオス、男らしくないことを、彼女の思いとは裏腹……。オスとしての性、繁殖を放置することを己の脳裏で思い。危惧しながら反転──。この場から直ぐに立ち去ろうと試みるのだが。


「待ちなさい! あなた!」と。


 自分自身の産まれたままの美しい姿を李儒(理樹)に見せる。魅せつけるようにして佇む、エルフの神々しい美少女、女神さまは、この場から慌てて立ち去る。逃げる異性の李儒(理樹)を一喝! そう普通の一喝ではない。ないのだ。


 そう、この三國オンライン戦記の世界の中で住み暮らす戦姫達の中でも、ごく少数の戦姫しか持つことが許されない。魔法スキルの【一喝】を、エルフの女神さまは、李儒(理樹)へとおこない。彼の逃走。この場から立ち去る行為をとめて、足止めをしたのだ。


 だから彼、李儒(理樹)の身体は動かない。動かないから「あっ?」と、「えっ?」と、彼はまた驚嘆を漏らす。


「(な、何で、僕の。僕の身体が動かいない。動かないのだろう……)」と、思いながら。


 まあ、そんな彼に、彼女、エルフの美少女女神さまは、


「あなたは、未だわらわの問いかけに対して、ちゃんと回答をしていないのに。何故、この場から、慌てて立ち去ろうとするのですか?」と、問いかける。……だけではない。ないのだ。エルフの女神さまはね。


「早く答えなさい、あなた! 何故、ここが見えたの。あなたは? そしてこの場にくることができたのですか、あなた?」はと。


 李儒(理樹)に再度尋ねてきたのだ。




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