第153話 李儒(理樹)と内気な姫殿下【三】(11)

 曹操孟徳は、乙女、純情、異性との恋を、恋心とは何かを知らない。わからない。理解が未だできない三人の小娘……。あのような威圧的な巨風、体躯をしているミノタウロスだとしても。悪来典韋はれっきとした乙女、純情な少女なのだ。


 それに、この世界は、皆も知っての通りで、三國志に登場、出演する古の英霊達が女体化した精霊さましかいない世界だから。女性が異性、男性を想う気持ちは、漢の大魔王董卓仲頴閣下と、この曹操孟徳だけ、ではないか? 先日の董卓閣下の前での臣下間の話し、会話、会議の席──。夏候惇が先程から従妹の曹操孟徳へと、理樹(あのクソガキ)は生意気だ! 我儘な奴だ! と、嫌悪感を抱き不満をもらす原因にもなった会議、論議の席で、李儒(理樹)の閣下への申し入れを庇った二名である賈詡と陳宮には以前の記憶……。


 李儒(理樹)が三國オンライン戦記をプレイしていた時に、己の軍師、参謀キャラとして陳宮はプレイ開始の前半期を支えた戦姫。そしてもう一人の少女は、智謀だけならば、あの諸葛孔明と鳳雛こと龐統に、呉の都督である周瑜や陸遜……。


 そして忘れてはならない戦姫である晋の高祖にもなる司馬懿仲達をも上回る智謀の持ち主だからね、賈詡は。だから後半期は、李儒(理樹)は好んで使用した戦姫だから。曹操孟徳が李儒(理樹)の俺嫁ならば。あの小柄なダークエルフの少女賈詡は、李儒(理樹)の第二の俺嫁と言った感じの立場だから彼の……。



 そう、二人の戦姫、賈詡と陳宮の二人は、既に李儒(理樹)、主さまに対して忠誠をつくしている立場だから賛成の意見を、漢の魔王、丞相である董卓閣下へと告げたのが。じゃ、董卓閣下の持つ勇将の一人であるオークの華雄将軍なのだが。彼女の場合は、『どうなるの?』と、言うことになる。なるよね?


 だって先程の董卓閣下の意見。自分が李儒(理樹)の警護を彼に悟られぬようにしましょうか? と、告げて、許可を得て、遠眼鏡を使用しながら、李儒(理樹)のことを観察しているようなのだが。彼女、華雄将軍が己の主、董卓閣下へと魅せた優しさは、異性への恋心や切なさがわからない者……。


 そう、この場にいる三人の乙女な少女達には、曹操孟徳の主、李儒(理樹)の想いと、恋心、切なさはわからず、理解が全くできなかったのに、華雄将軍はできた。


 だから、どう言うことなのだ? と、いった話しに戻るのだが。


 まあ、要するに、背丈も小さく、女の子のような可愛い容姿をした李儒(理樹)に対して華雄将軍は、己の胸が『キュン!』、『キュンキュン』と、ときめいたのだ。


 そう、彼女、御年頃のお姉さまである華雄将軍は、異性で可愛い容姿の李儒(理樹)に一目惚れ、恋と言う物に堕ちたのだ。


 だからこの場にいる三人……。


「あああ、なるほ……」


「そうか? そうかも知れませんね? 姉上……」


「へぇっ、知らなかった……。オスと呼ばれる種族に恋をすると、頭みたいに無茶をしたくなる衝動に駆られるのだな。それは知らなかった……」と。相変わらず、というか? お前達本当にわかっているのか? と、訊ねたくなるような衝動に駆られそうになる初心な乙女さま達と、御年頃、発情期最中の艶々と光り輝いて魅せる華雄お姉さまとは違うのだ。と、言うことで。夏侯惇は従姉の曹操孟徳の話し、説明を聞いて。


「(フムフム)なるほど。なるほどだな……。あいわかった! 孟徳! お前の言っている通り。告げている。下知を俺に下している通りで。あの生意気ガキは、俺が警護をしてやるから。有り難く思えよ。孟徳……」と。


 夏侯惇は己の従姉であり。上司でもある曹操孟徳へと言葉を告げると。




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