猫目線

@rucho

第1話

ボクは、もも太。

タイで生まれて、タイから来た。

生れた場所は、よく覚えてないけど、なんだか、暗くてジメジメしたとこ。

おかあさんと弟がいた。

ボク達親子3人は、外国人向けの動物市場で、売られていた。(他の売られていた動物達は、食用。市場のすみっこの、小さなペット用スペースに、ボクらは、居た。)

ぶらぶら歩いていた若い女の人が、ボク達のところに近づいてきて、ボク達の前に、しゃがんだ。

カタコトのタイ語で話している。

とこの国の人だろう。

その人は、ボクと弟を、かわりばんこに抱き上げ、顔をじーっと見たり、しっぽの長さをよく調べたりした後、ボクだけを抱いて、お財布からお金をはらった。

そして、ボクだけが、その人と一緒に、市場を後にした。

それが、おかあさんと弟に会った最後。


よくわからないまま、ボクはその人の部屋に来た。

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