15日目
仮眠をとった私は、
朝の10時ごろに目覚めた。
とにかく車を走らせた。
御巣鷹山といえば、
飛行機が墜落したことで有名だ。
だがそんなことはどうでもいい。
家に帰りたいとも思ったが、
ここからでは遠い。
もちろん車を走らせれば、
今日中に辿り着かない距離ではないが、
ガソリンの問題や、
高速道路料金の問題もある。
私と少女は今、
一銭も持っていないのだ。
昼過ぎまでずっと車を走らせていた。
そのおかげか、
郊外ではあるものの、
人のいる地域まで戻ってくることが出来た。
昼を過ぎると少女が目覚めた。
私は現在の状況を説明した。
少女は分かったような、
分からないような、
曖昧な表情をしていた。
これからどうすればいいか尋ねてもみたが、
少女からの返答はなかった。
少女は後部座席から助手席に移った。
そしてしばらく車を走らせると、
少女にハンドルを握っている、
左腕の裾を引っ張られた。
何かと思い少女を見ると、
お腹をさすっていた。
トイレかと思い、
私は公園を探して、
5分ほどで運よく公園を見つけた。
私は公園の駐車場に車を停止させ、
少女にトイレに行くように促すと、
少女は首を振った。
そしてその後に、
お腹から音が鳴った。
どうやらただ単に、
腹が減っただけらしい。
だが、
食うものなどない。
金もない。
どうしたものか。
しばらく思案したが、
結局いい考えも浮かばないので、
とりあえず、
車の中を探ってみることにした。
この車はミコトの車だ。
非常用に何か食料が積載されているかもしれない。
私は車の色々な場所を探し、
後部座席の後ろのスペースに、
2つのジュラルミンケースを見つけた。
片方にはカンパンなどの保存食が、
ギッシリ詰め込んであった。
そして、
もうひとつの方には、
銃が入っていた。
手に収まる拳銃と、
ミコトのメンバーが戦いの時に使っていた、
自動小銃。
それに弾。
私は銃が入っているのを見て、
すぐにケースを閉じた。
これを手にとっては、
いけないような気がした。
私は非常食の入ったケースだけを持ち、
運転席に戻った。
そして少女に、
ケースの中を見せ、
好きなものをとらせた。
私も、
腹が減っていたので、
カンパンを食べた。
すぐに何か飲み物がほしくなった。
ケースの中を色々と探っていると、
非常食に埋もれていた、
茶封筒を見つけた。
私は茶封筒を開封してみる。
そこには、
現金で10万円入っていた。
これは、
幸運だ。
私は公園から車を走らせ、
コンビニを探して入った。
そしてそこで、
食べ物と飲み物、
それに地図を買った。
私は食事を済ませると、
車にガソリンを入れて、
そのまま自分の、
アパートの部屋まで、
車を走らせた。
夜になる頃、
アパートの近くまで来て、
ふと思う。
私の持ち物、
免許証などは、
あの研究所で奪われたままだ。
ということは、
あの研究所の関係者なら、
私の住まいを見つけることなど、
簡単に出来る。
安易に戻ってよいものか。
しばらく思案した結果。
私はビジネスホテルに泊まることにした。
車をしばらく走らせ、
ビジネスホテルに部屋をとった。
今日は、
まともなベッドで眠れる。
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