輝きたい私はやがて魔女になる
抹千夜
第1話私、異世界行きます!
――結局、輝けなかったなぁー――
私こと
――あー、血ってこんなに冷たいんだ――
なづなは自分の血を全身に浴びて、薄れていく意識の中、誰かが救急車呼ぶ声が聞こえたが、そんなのもう遅いと自分の身体だからすぐに実感しました。
――あーあ、こんな人生なら就職活動なんてせずに今日までだらだら暮らしておくんだったな。いや待て就職活動なんてしなっかたら死ななかったんじゃ――
こんな思考もついには止まり私は、ゆっくりと冷たい地べたの感触を味わいながら目を閉じました。
しばらくするとなづなは、目を覚まし、脳を覚醒させて気づいた。
「え?ここ何処?」
そんな、なづなの問い掛けに対して聞こえてきたの少女ぽい声でした。
「ここは死後の世界、天界よ」
見た目は、小学六年生ぐらいの少女は背中に純白の羽を生やし、純白のワンピースを身に着け、白髪で肌白でした。
――もう、真っ白じゃねか――
と思ったなづなは、あえて声に出さずにスルーしました。だって、そんな事より気になることがあったから。
「貴方は、死んだの」
「はい、わかってます。」
「なら話が早いわ」と少女は沢山のカードを持ってきてこう言いました。
「この中から好きな職業を選びなさい」と。
カードの中には、[建築士][税理士][小説作家][プロスポーツ選手]などがありました。が、一つだけなづなの眼には異様に輝いて見えるものがありました。それは
[魔女]です。そう[魔女]なのです。
――大事な事なので二回言いました――
「あのー魔女ってなんですか?こんな職業、日本にはありませんよ」
恐る恐る問い掛ける私に対して少女答えた。
「その職業は異世界のものよ」
「はい?」
誰しもがこう聞き返すだろう。だって急に:異世界:というワードを耳にしたのだから。
「だから、異世界のもって言ってるでしょ」
ちょっとキレ気味に少女は答えたが、そんな事より気になることがなづなにはあった。
異世界の職業がここにあるということは異世界に行けるということだ。そうだ、きっと、そうだ。なんの根拠もないままそう確信した私は迷わず[魔女]という職業を手に取り心に決め、少女に見せた。
「私、猫神なづなは、異世界で魔女になります!」
――私は、小さい頃からずっとキラキラと輝いている物語のヒロインに憧れていた、けどいつしか憧れているだけじゃ駄目だと思うようになり行動に移した。けれども結果はいつだって普通よりちょっと上、一番にはなれなかった。それが悔しいくてしかたがなかった――
日本で一番になれなくても異世界でなら......
――異世界にいって私は変わりたい――
「よし!よく決めた、その職業なかなか売れなかったのよ」
「余り物かよ!!」
思わず芸能人みたいなツッコミを入れてしまったがそんなことは、今はどうでもいい、だって魔女になるという小さい頃の夢が今叶い、異世界に行くという中学の頃の小さな夢も今叶う。今、私の目の前で夢が二つも叶おうとしている、胸が高鳴らない訳がない。
「さー天使さん早く私を異世界に連れていって」
「わかったわよ、じゃぁいくわよ!」
「うん!」
「それじゃー異世界に転生!」
そんな小さな天使の掛け声と同時になづなの身体を光が包み込んだ。
――んーわくわくがとま――
なづなはまた、意識を失った......
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