紅葉の森でかくれんぼ

平城山 松前

ショウジョウトキ(ドヤァ)

「こんな可愛いショウジョウトキが見つからないわけないんですけど!(ドヤァ)」


 どうしてこんなことになってるのか。それは遡ること数分前、かばんたちは図書館に呼び出されていた…


「食べてばかりではいけないのです!太って醜い姿になってしまうのです!お前たち、我々と一緒に『かくれんぼ』をして欲しいのです!」

「はかせ、『かくれんぼ』ってなに?」

「『あそび』だということはなんとなくわかるのですが…」

「『かくれんぼ』というのは、まず隠れる範囲やルールを決めて、見つける役のフレンズを決めるのです。そこから見つける役のフレンズに30秒待ってもらい、各自隠れるのです。」

「見つける役のフレンズはそのあと10分で全員見つけられれば勝ち、全員見つけられなければ隠れる役の勝ちとなるのです。」

「隠れんぼならパンサーカメレオンとかツチノコとかは誘わないのか?」

「呼ばない方がいいんじゃないかなぁ〜」

「なんでなのだ!」

「あいつらは『ちーと』なのです。見つかるわけがないし見つけられないわけがないのです。頭を使うのです」

「頭を使うのです。もしかしてお腹空いてるのですか?」

「ぐぬぬ…さっき食べたばっかりなのだ!」

「んでぇ…なんでよばれたんのぉ?」


 そう。かばんたち4人だけでなくアルパカ・スリやトキ2人も呼ばれていたのだ。


「今言ったとおり、『かくれんぼ』に関係ない能力で、できるだけ人を集めたかったのです。」

「そろそろルールを説明するのです。隠れる範囲はこの紅葉の森の中なのです。飛ぶのは禁止なのです。まあ見つかりやすくなるだけなのでやらないと思うのですが。」

「見つける役は我々がやるのです。さあお前たち、隠れるのです!」


 かくれんぼ、開始。


「私ここにする!」

「頑張ってね!」 (僕は…ここにしようかな)

「アライさんは、ここにするのだ!」

「アライさ〜ん、そんなに大声出したらバレちゃうよ?」

「大丈夫なのだ!アライさんはこんなのに負けたりしないのだ!」

「頑張ってね〜」

(どこにしようかな〜。あっそこにかばんさん隠れるのか。じゃあ…)


 また4人と離れた場所にこうざんから来た3人は集まっていた。


「どこにしようかにぇ?」

「こことかいいとおもうんですけど!(ドヤァ)」

「そうだにぇ。そうしようかにぇ。」

「私はどうしようかしら?」

「赤っぽいから木の上の方に隠れた方がいいんですけど!(ドヤァ)」

「そうね。あなたもそうしたら?」

「そうするんですけど!(ドヤァ)」


 さて、図書館にいる長二人は…


「…29、30。さあ博士、探しに行きましょう。」

「そうですね、助手。」


 ちょうどカウントを終え探し始めていた。


「さっき、あちらの方からアライグマの声が聞こえたのでそちらから周りますか?博士。」

「そうしましょう。助手。」


てくてくてく………


「この辺りから聞こえてましたね。くまなく探しましょう。博士」

「見つけたのです!木の裏のアライグマ!尻尾が丸見えなのです!」

「見つかっちゃったのだ!」

「さて、次は…いたのです!サーバル!ここには尻尾が丸見えなやつしかいないのですか!?」

「うぎゃー。」

「あとここら辺には…?残り7分ですが…」


(ドキドキ)(ドキドキ)


「いたのです!かばん!帽子の羽飾りが見えて…あれ?」

「いないのです。…ってあれ!いたのです!フェネック!回り込んだことによって丸見えなのです!」

「見つかっちゃったかー」

「あとは…いた!かばんのズボンの白が見えてるのです!」

「見つかってしまいました…」

「あとはあの3人組です。しかも残り5分です。」

「なんとしてでも見つけますよ!助手!」


 葉が真っ赤な森は白が目立つ。博士たちは時間内に3人を見つけることはできるのだろうか?


「アルパカ見つけたのです!白が目立つのです!」

「見つかっちゃったにぇ」

「トキも見つけたのです!トキも白が目立つのです!」

「あらら〜見つかっちゃった…」

「あとショウジョウトキなのです!しかも残り2分なのです!」

「どこに行ったのですか!?」

「見つからないのです!」


 逆に言えば葉が真っ赤な森は赤が目立たない。博士たちは隈なく探した(つもりだ)が、全く見つからない。


「時間終わってしまったのです…どこにいたのですか?」

「真上ですけど!(ドヤァ)」

「うわっ(シュッ)」

「なるほど、紅葉の赤で分からなかったのですね。」

「こんな可愛いショウジョウトキを見つけられないとかおかしいんですけど!(ドヤァ)」


 その後図書館に戻ると先に見つかっていたフレンズが待っていた。


「すごいですね!最後まで隠れてるなんて!」

「そうでしょう!ショウジョウトキはすごいんですけど!(ドヤァ)」

「ショウジョウトキを探すのに結構動いたのです。」

「これで健康になれたのです。ありがとうなのです。」

「博士が感謝するなんてこともあるんだね。」

「あああ当たり前なのです!」

「では、またなのです。」

「またねー!」

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紅葉の森でかくれんぼ 平城山 松前 @narayama_masaki

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