第96話サンタ マリアを聴きながら

 くり返しくりかえして、まるで小さな部屋が礼拝堂みたい。

 エンヤのサンタ マリアを聴きながら、私の心は揺れている。

 サンタ マリア、サンタ マリア……あなたの御声は届きますか?

 サンタ マリア、サンタ マリア……わたしの祈りは届きますか?

 逝ってしまったあの人に。

 こんなに心弱くなってしまうくらいなら、あなたへの想いは忘れてしまえばよかった。

 だけれど、こんなにも音楽を美しく感じるのは、きっとあなたを忘れていないせい。

 だから、思い出よ、より美しく! 輝け、光れ、星に届くまで。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る