第27話カクとヨム。納得いかないわたくし

 両立できぬ……。

 書いていれば読めないし、読んでいれば書けない。このジレンマは。

 どうも切り替えが悪いらしいんだ。

 けどさ、でもさ、小説を書くってことは、己の内面をかき混ぜて、感情を抽出する作業だと思うの。

 そんなときに(例えばラブコメってるときに)怪奇ものを読んでしまったら、内面が変わるじゃない? ホラーなんて読んだら、暗闇恐怖症になるじゃない?

 そんなの、わたくしだけー?

 内面が変わったら、キャラクターも代わるわけで。

 ちょっとこれは由々しき問題。

 どうすればいいの?

 :わたしに聞かれても。

 大体、カクカクしてるキャラとヨムヨムしてるキャラと、わけられないわけ?

 :いくらなんでも。

 わたくし、ヨムときは全神経を使って、精読してるよ? 内容を忘れっぽいのは悪気じゃなくて、WEB小説だからだもん。頭からすっぽ抜けちゃうの。

 :かわいそうに。

 かわいそうな頭って言いたいの?

 :そうです。

 むー。お悩み解決相談係さん、いないのー?

 :はーい。

 カクヨムをたくさんしたいの。けど、切り替え遅くて、ノリきれないの。どうしたらいい?

 :えーっとね、それはね。ネットをやめたら?

 え? どういうこと?

 :ネットをやめて、くつろいで。そうしたらやることはカクこととヨムことだけ。

 なあるほどー。いい案だ。さすが! けど、読書もしたいの(主にラノベ)これはどうしたらいいの?

 :うーん。自分だけの力でどうにかしてください。

 丸投げー!?

 :うーん、ダメだったらでいいんだけど……。

 なあに?

 :興奮しないようにしたら?

 え?

 :カクときもヨムときも大げさに感動! とかしなければ……。

 どうしてよ。ヨムしたら感動するでしょーよ。

 :おとなしく読んでなさい。

 感動したらだめなのー?

 :だめ。

 納得いかない!

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