ワイトとグレ爺
平城山 松前
彼の未来と此の未来
「ココは…どこだ?」
「ココはあの世!ワイトはここの見回りしてるんだ!あなたはあそこの光から出てきたけどどこからきたの?お名前は?」
「私はグレープだ。光?…あっ!まだだ!待ってくれ!」
「ワイトも気になります。」
ピカァ〜ッ
光に包まれた二人。はてさてこれからどうなることやら。
「ココは…ジャパリパークだ!しかも、キョウシュウだ!一回来てみたかったんだよな!」
「ワイトもそう思います。」
「やりたいことがあるが、なにが起こるかわからない。一緒について来てくれないか?」
「ワイトもしたいことがあります。付いて来てほしいです。」
「決まり!」
ドカァ〜ン
火山が噴火しサンドスターが空に打ち上げられている…二人はその光景から目が離せないようだ。
「あれが『サンドスター』か…ってうわっ!」
「大丈夫ですか?ってええええ!?あなたグレープさんですか!?」
「あぁ。そうだが。ん?体の動かし方が上手くいかないな…とりあえずからだが変化したのは事実。水場に行ってみてみよう。」
「で、水場ってどこなんでしょうか…?」
「何かありました?」
「シマウマか。カバのいる水場方向を教えて欲しいんだが。」
「あぁ。あっちですね。」
「ありがとうございます。」
てくてくてく…
「「ついた〜!」」
道も悪く少し試練があったがなんとかたどり着けた。
「だ〜れ〜?あっ、あなたはフルルさんかしら?」
「私はグレープだ。ん?待てよ?」
グレープが何かに気づいたようだ。
「今私はサンドスターに当たってフレンズになった。もともとの私はフンボルトペンギンだったはずだ。ってことは…」
水面を見るとそこにはフルルが写っていた!なんてこった!
「フルルだ!私、フルルになってる!?でも腕輪は影響受けないのか…この姿になったから『元オス』と名乗ろうか?」
「落ち着きましたか?」
「あぁ。」
「あなたオスだったのね…まあ気にすることないですわ。」
「じゃあそろそろ行きますね。」
「セルリアンにあったら基本逃げるのよ!どうしても戦う時はちゃんと石を狙いなさいね!」
「「はーい!」」
てくてくてく…
ゲートを通り、見学ルートの中をまっすぐ進んで川が見えてきた。
「ついた!ここにコツメカワウソは…いた!じゃあここでジャガーを待とう!」
「あなたたちもここでジャガーちゃんを待ってるの?一緒に待ってる間遊ぼうよ!」
「そうだな…」
数分後、ジャガーが来て船に乗せてもらった。
「案院橋まで行けばいいんだね!」
「一回会ってみたかったんですよ!初めまして!ワイトです!」
「え?あのワイト!?昔飼ってた猫の!?」
「ネコ科が猫を飼うっておま」
「何か勘違いされてますね…あなたのおかげで有名になれたあのワイトですよ!」
「全然わからんがよろしく!」
「やっぱりわかりませんでしたか…」
少し寂しそうなワイトを乗せて案院橋に船はついた。
「お腹すいたし喉乾いたな…」
「ワイトもそう思います。」
「ロープウェイは…どこだ?」
「あっちの方だよ!」
「ありがとう!」
てくてくてく…
「「ついた!」」
「割とボロかったんだね」
「ここに何かありますよ?」
「これに乗って頂上に行くんだな。」
「私が漕ぎますよ!」
「よろしく頼む。」
「おーいしょ、おーいしょー!」
数分後、頂上についた。ヘトヘトになったワイトに肩を貸しながらカフェへ向かおう。
「足が疲れました…」
「でもなんとか頂上についたからいいじゃないか。」
「とりあえずカフェに入りましょう」
カランカランカラン
「いらっしゃ〜い!」
「私以外のお客が来るなんて珍しいこともあるの…へ?フルル!?」
「いや違う。私は元オスのグレープだ。そしてこっちがワイトだ。」
「よろしくお願いします。」
「とりあえず紅茶とじゃぱりまんをもらいたいんだが…」
「備蓄があるからいいゆぉ!」
「ありがとうございます!」
もぐもぐ…
美味しそうに食べる二人を優しく見守るアルパカたち。
「「おーいしー!」」
「これからどうやってみずべちほーに行こうか…」
「あなたもPPPのコンサートに行くの?私たちが運んであげるわ。ね?ショウジョウトキ?」
「こんなに可愛いショウジョウトキが影薄いなんてありえないんですけど!(ドヤァ)」
「ありがとう!助かる!」
「じゃあ行くわね。」
「またにぇ!」
眼下に広がるいろいろなちほーの眺めを見ながらみずべちほーへと直行する。歩いて数日かかる距離も飛んでいくと数十分でついた。
「「「「ついた!」」」」
「ここが夢のステージか…」
「ワイト、ちょっと早起きしてきました。」
「すまん!ここにフルルはおるか?」
グレープがそう叫ぶとネコ科のフレンズが出てきた。
「誰あな…ええ!?フンボルトペンギンのフレンズ!?」
「元オスのグレープだ。フルルに会いたくて来た。合わせて欲しい。」
「フルルじゃないフンボルトペンギンのフレンズだけど、ペンギンだし楽屋に案内してもいいよね…?はい!どうぞ!お連れの方も一緒に!」
「ありがとう。」
「ショウジョウトキがPPPに会えるなんて凄すぎるんですけど!(ドヤァ)」
「ワイトも感謝します。」
その時楽屋内ではワイワイガヤガヤ歓談していた。
「フルルにお客さんですよ。」
「フルルにお客さんとか珍しいこともあるんだな!」
「ほらイワビー!そんなこと言わない!」
「サーセン」
「誰だろ〜?」
「『グレープ』と名乗ってたわ。」
「え?グレープ!?」
そう聞いた瞬間なぜかフルルは出入り口の方に思い切り走っていった。
「フルルさん!?いきなり走って行っちゃいましたね。」
「コウテイなんてあんなフルル想像つかないから気絶してんじゃねぇの?」
「(白目)…ハッ!気絶してるわけないじゃないか。何言ってんだイワビーは。はは。」
「コウテイ、今更取り繕ってもむだよ。」
「その『グレープ』って方、見てみたいですね」
「じゃあ俺たちも行くか!」
「そうね!」
その頃フルルとグレープは抱き合っていた。
「ワイトは訳がわかりません。」
「なぜお互いみた瞬間に泣いて抱き合ったのかしら…」
「私が動物の頃フルルに恋をしててな、やっと会えたんだ。」
「そのことを私も聞いててね…」
「なんだこの状況…」
「フ、フルルが二人!?いや、紫の腕輪がある方がグレープさんか…」
「そういうことだったんですね」
「はぁはぁ…か・わ・い・い(鼻血)」
バタンキュー
「マ、マーゲイ!?大丈夫?」
白目をむいている。マーゲイだけじゃないけど。
「「「気絶してる!?」」」
「ついでにコウテイも!?」
「ついでっていうなよ。」
「あ、起きた」
「コウテイには刺激が強すぎるもんな!」
「ああ。って何言わせんだイワビー。」
「これで満足だ。やっと成仏できる…」
「いやだ、いやだよグレープくん…もっと、だって、まだ…」
すでに消えかけていたグレープをフルルはもっと強く抱きしめるが…
「…いっちゃったな」
「さて、私も元の世界に帰りましょうか」
……………
「なぜ私には誰も声をかけてくれないんでしょうか…」
「ここすき」
「あっ、天からの声が聞こえる…ではみなさんまた会えたらその時はよろしくお願いします…では…」
「今のは一体なんだったのでしょうか…」
「フルルは少し距離を置いて落ち着いてもらうか…」
「グレープくん…グレープくんっ!…うぅ…やっと会えたのに…」
「ほら、空でグレープくんがみてくれてますよ、そんなくよくよしてたらグレープくんに申し訳ないですよ!元気に行きましょう!」
「…うん!」
以下はフルルの手記から引用している。
それから数年が経った。久しぶりに山が噴火した。今年もフレンズが沢山生まれたみたい。よく噂に聞くんだけど、今年はフンボルトペンギンのフレンズも生まれたみたい。グレープくんだったらいいなぁ…なんて。
ワイトとグレ爺 平城山 松前 @narayama_masaki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
久礼と岸玉の学生生活/平城山 松前
★4 二次創作:けものフレンズ 完結済 26話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます