死んでなきゃ異世界転移だよね
僕は遅刻証明を書きに職員室へ入る。
「入学早々遅刻ですか?良い生活は良い生徒になるためには必要なんですよ?」
「はい、すいません」
「もう、義務教育は終わったんだからその辺の意識もね」
「はい、すいません」
「明日、いや今日からしっかりしなさい。いいね?」
「はい、すいません」
「あと、妹さんに手出したら駄目だよ」
「はい、って。え?何で?」
「だって今日妹さんとイケナイことしてたんでしょ?」
「いや、してないですし、いけないをイケナイで表記しないでください」
志村先生も個性的な人だなぁ。
僕は、そのまま教室に向かった。
っていうかなんで有栖とのことばれてるんすか
既に終わりかけている昼休みの中教室に入る。一部の生徒はもうグループを成していた。
一部とはいえ取り残された感あるなぁー
そして、回りから小声が聞こえる。
「あの子ってゲボの子だよねー」そんなニュアンスの言葉が飛び交っていた。
あれ?もしかしてバレてます?
そして夕の頭の中で昨日の初瀬川先生の言葉が流れる。
「あぁ、ご愁傷さま」
その言葉がまさしくピッタリだった。
「あの初瀬川先生!!」
僕はあがった息でそう言った。
「どうしたそんな卒業式の後にどこか遠くの学校にいく先輩に告白しようとしたら、もうその先輩がいなくて走って探してやっとの思いで見つけたみたいな状況は」
「先生もう、比喩使うのやめた方がいいですよ。ってそんなことじゃ無いんですよ」
「
初瀬川先生は質問を聞く間もなく返答した。
しかし僕は未だその内容を理解できてはいなかった。
「君は理解力の乏しい人間だな。君の聞きたいことは昨日、君の
その通りだった。
「ちなみに土井ならオカルト研究部の部室にいると思うが」
「聞くからにろくでもない感じが漂ってるんですが」
「ちなみに顧問は私だ」
いや、それもっと怖くなっただけなんですが
「ちなみに君の同級生も二人ほど既に入部している。お前にとってはともd…」
「友達を作るチャンスですね!」
僕はその発言に食いついた。
「友達を作るチャンスではあるが忘れるなよ土井がいることを」
その瞬間、僕に感じられたのは悪寒だった。
そして僕は緊張しながら重い足取りで部室に向かった。
オカルト研究部の部室と言うのは西館の2階にある。
文化系の部室は大体西館にある。ちなみにこの学校もとい
本館には2,3年生の教室や食堂。西館は芸術や文化系の教室が立ち並ぶ棟だ図書館とかもある。東館には1年生の教室と職員室という造りになっている。
西館のオカルト研究部の部室についたのでドアをノックした。すると、扉の向こうから男女のもめる声がしてから目が腫れた男子生徒が出てきた。
「あのー大丈夫ですか?」
「いや、全然死にそう。で、何のようかな?」
「あの土井先輩っていますか?」
「あーい、るいる。ちょっと待って」
そう言ってその男子生徒は土井先輩の事を呼びに行った。それからしてすぐ土井先輩はやって来た。
「えーっと、君は…あっ!!」
「本当に申し訳ありませんでした!!」
僕は誠心誠意、全身全霊で深々と頭を下げた。
「それはわかったから、一遍落ち着」
「僕に
「わかった、わかったから少しずつ落ち着こう。とりあえず中に入って」
僕は言われるがままに部室に入って行った。
中に入るとそれほどオカルト感は無くよくある部室と言ったところだった。
そこには、先ほどの男子生徒と女子生徒がいた。
そして僕は気が付く、その女子生徒こそ同級生かつクラスメートだと。
「どこでも空いてる席好きに座って」
そうして僕は土井先輩に正面の席に座った。
女子生徒はそわそわしながら僕の後ろに立ち、男子生徒は興味をなさそうに角で本を読んでいた。
すると、後ろにいた女子生徒は急に大声で「あっ!!」と言う。
「君、もしかしてあのゲボの子でしょ!麻奈華先輩から聞いたんだ。昨日、保健室から出たらゲボかけられたって」
「もしかして、拡散の原因は君か!!」
「違う違う、それは昨日別の子が見ててそれを教室中で言いふらしてただけ」
なんということだ、見られていたのか。それはクリティカルヒット過ぎる。
「ちなみに私の名前は
「よ、よろしく。じゃなくてですね土井先輩」
「え、あ、うん」
土井先輩はそれに対し困った表情をとる。
あの時はそれどころじゃなかったから見えなかったけど土井先輩って良い顔立ちしてるな。結構好きなタイプかもしれない。僕の大大大大大大好きなアイドルの白雪ちゃんと有栖の次位にタイプだ。
「僕になにか奢らせてください!!」
僕は机にデコをつけ頼み込む。
それに対し土井先輩は、は?という顔をする。
がしかし、僕は初瀬川先生を信じる!!
「えーっと、ちょっと意味がわかんないんだけど…。大丈夫だよ?そんなに根に持ってないし」
「それでも、奢りたいんです!!」
依然として僕は机にデコをつけたまま頼み込む。
「わかったから、顔あげて。ファミレスかなんか奢ってくれればいいよ」
「ほ、本当ですか!?よかったー」
本当に良かった。土井先輩が優しくてマジで助かった。若干困惑気味だったけど。まぁ、大丈夫でしょう。
「そういえば、君はなんていう名前なの?」
「山口夕です。よろしくお願いします」
「夕君っていうんだ。私はねまぁ、知ってると思うけど土井麻奈華よろしくね夕君」
「よ、よろしくお願いします」
僕がそんな会話をしていると、新手さんが先ほどの男子生徒に「お前も」と言ってがっついていた。
「あ、あのー」その光景を目にした僕が、挨拶をしようとすると。ほとんど同じタイミングで新手さんが「こいつは
それに対して僕も「よろしくね、津曲君」と答える。
そして、津曲君の事を小ばかにするように「だってさ、津曲君」
新手さんがそういうと津曲君は「よせよ、気色悪い」と言う。
この二人、実のところ仲がいいのではないか?
そんな事を思っていると、津曲君は「俺の事は、心平でいいよ。えっと夕だっけか?」と言った。
「わかったよ、心平」
もしかして、これはもう友達と言って差し支えないのではないのではないのだろうか。いや、もう友達だろう。そうだ、そういう事にしよう。
そして僕は勇気を振り絞る。
「あ、あの皆さん!!連絡先交換してくれませんか!?」
しまった。張り切りすぎてしまったか。
しかし、皆は快く交換してくれた。
気分ルンルンで帰ると家には皆、帰ってきていた。
「兄さん、おかえり」
と有栖が真っ先に言った。
正直めちゃくちゃうれしいんですが。というかめちゃくちゃかわいいんですが。
とりあえず今日、赤飯食べたいです。
夕食中こそ有栖は何も話さなかったがそれでも昨日よりも愛想はよくなっていた気がする。
そして昨日となんら変わらない、生活を過ごして眠りにつく。
そして
「に、兄さん、入るよ」
そう言ってゆっくりベッドに入る。
そして、それ以上言葉を交わすことなく眠りにつく。
全身で風を浴びる夢を見る。
というか
ものすごい勢いでものすごい高度から落ちる。
っていうかコレ夢!?
すごい感覚残ってるんですけど!!となりに有栖もいるしさ
コレどうすんの!!
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