第12話 電童組... ...

「音華ぁ。」


あっ、来た。


「最近の奴らの動きはどんな感じだ??」

「知らないし、知ってたとしても言いたくない。」


ふぅ。奴らだ。電童組(でんどうぐみ の手下。

電童組とは、魔力も武力も戦闘員も桁外れのこの国を代表する魔族の一派。

魔族といっても血は繋がっていないが、彼ら独特の関係性はもはや血が繋がっていなくとも、強固なものである。


あっ、しかも、奴ら電童組のなかでも、魔力を得意とする電本派(でんもとは)の手下だ。


「ちっ。奴らにしては良く出来た。だが、僕らの力をもってすれば。」


なんで彼らの声が聞こえてくるかというと、我が一族の一部が果敢にも、電童組に攻撃をしかけたからだ。


だがしかし一部が仕掛けたため、一族全員にまで情報が行き届かずアップアップしているのだ。


「まぁ。僕らの所にあの子はいるんだし、いいんじゃない???」


まぁな。彼女が、自ら行ってしまったのだから、しょうがない。


「というか、音華はどっちの味方なんだよ。いまいちわからないから、こっちの情報言いそうだぜ。」


私はいまいちどっちの味方にもなれずにどっちにも、宙ぶらりんな関係性である。


「まぁ、いいか。音華は。それより、奴らは巨大になりつつある。手を止めさせなければ。」


「音華ちゃぁぁぁん。」

あぁ、また迷える子羊ちゃんが来た。


「ブツブツブツブツ... ...

「音華ちゃぁぁぁん。


うっさいんじゃボケナスがぁ。


どっちの味方にも正直なれないのは、なれないのではなく、なる時間がないのである。

迷える子羊ちゃんが大量過ぎて、しかも電童組の声が聞こえるという格好の獲物である私は、毎日大変なのである。

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