全国民よ、聞くが良い。〜私と彼と魔王と魔女〜
石崎 勇虎
第1話 僕の嫁だからね。
私達の、純愛は、だれにも、
壊せるものではない。
彼は仏のようである。
いわゆるイケメンという顔ではないが、
目がぱっちりとしていて、
一目見たときから、
気になる存在ではあった。
彼は少し他の人とは違う感じがした。
私は目がぱっちりとしていて、
目の色が綺麗な男の人が、好きである。
彼は、そういう観点からしたら、
一番であった。
だがしかし、当時の私は、
他に好きな人がいた。
彼もまた、少し変わった面を持っていた。
いや、たんに、変わった人が、
良いわけではなく、感覚が、似ているし、
一目惚れしたら、猪突猛進。
そんな私なのだ。
「僕の嫁だからね」
当時、よく聞こえていた言葉である。
もちろん、当時大好きだった、
彼からではなかった。
よって、無視。
私は昔から、手紙を、書くのが好きである。
携帯は、持ってはいたが、
手紙の方が好きなのである。
その人の文字が、見れるからだ。
字はその人自身が、一番現れるものだと、
思っているからだ。
なので、その当時大好きだった、彼にも、
手紙を、渡していた。
月計算で、何十通にも渡る、
私からの手紙。
今から思うと、ストーカー一歩手前だ。
「僕の嫁だからね。」
この言葉を言った彼は、病気がちで、
身体が、弱い。
なのにみじんも感じさせずに、
いつも、人のために、頑張っていた。
だがしかし、当時の私は、
完全に、無視であった。
ストーカー一歩手前までいっていたので、
周りが見えていなかったのだ。
そんなある日、突然、何の連絡もなかった、
彼からハガキがきた。
「もう、手紙を、書かないで下さい。
あなたの事は、好きではありません」
突然の言葉に、頭が真っ白になった。
そんなとき、聞こえてきたのは、
あのおなじみの、フレーズ。
「僕の嫁だからね。」
彼に手紙を、出してみようと思ったのは、
そのフレーズが、あったからである。
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