第28話 マニアックと呼ばれる人種は人として大事な何かを捨てている
貴族街の入口を抜けるのと同時にステラが俺を横目で睨んできた。
「何やってんのよ」
「アイツ、俺の事を睨んでたぜ。暴動を起こしてもいいか?」
「同性から恨まれる顔をしているあんたが悪いのよ、諦めなさい」
ツラが悪いってのは酷くね?
「お前だって男の視線を集めてるじゃねえか」
「あんた達に比べたらまだマシよ。私はまだ一般レベルだけど、二人は非常識レベルなんだから」
「人の顔を非常識と言うのはどうかと思う」
俺が文句を言うと、それを聞き逃さなかったステラが溜息を吐いた。
「正面から言うのはチョット恥ずかしいけど。アンタの顔はモテるとかそういう次元を超えて、そうね……まるで物語に出てくるような白馬の王子様みたいなのよ」
「……馬の方?」
種馬と呼ばれたい。
「違うわよバカ! ジン君だって、同じよ。褐色の肌がどこか異国の王子様みたいで見ていると凄くドキドキするんだから」
「お前が惚れる前提が、王子様クラスの金持ちなのが分かったよ」
「全く相変わらず皮肉しか言わないのね。チーちゃんが可哀想だわ」
ステラが呆れた様子で両肩を竦める。
「そう思うのは今だけさ、老い先短いかもしれない奴よりも長生きしそうな男の方が、自分の幸せだって長く続くかもしれないからな」
「バカな人……」
ジンが背中を突くから振り向くと、紙を渡された。
『なんでステラは怒っている?』
「ただの照れ隠しだ。気にするだけ無駄だぞ」
それでジンが納得したように頷いた。
「聞こえているわよ……事実だから何も言えないけどね」
ステラががっくりと肩を落として再び溜息を吐いていた。
盗賊ギルドはキンググレイスの中央よりやや離れた場所にあった。
近くには戦闘ギルドや、魔術師ギルドなどが立ち並んでいて、ギルド通りになっているらしい。
道を歩く人も盾や剣を持ち歩き、現実だとコスプレに拘り過ぎて警察に職務質問されるような格好をしていた。
「あれだな。ネットゲームでは皆、見栄えにこだわる。そのうち自分を忘れちまう。自分が自分じゃなかったら一体何なんだ?」
「良い事を言ったつもり? あまり面白くはないわね」
「それが哲学ってやつだろ」
「哲学とは縁の遠い人が何を言っているの、とっとと入るわよ」
ステラに促されて盗賊ギルドに入ると、そこそこ賑わっている様子だった。
俺達が入ると何人かがステラを見て驚いていた。どうやらエンブレムを背負わなくてもニルヴァーナの異邦の11人メンバーは顔が知られているらしい。
読者サービスも進行しているようで何よりだ。後、必要なのはギルドに対する評価だろう。もう一度言うけど
「ローグなのに有名人というのも何か矛盾しているよな」
「あんただって人には言えないけど同類でしょ。あのテーブルで待ってて、買ってくるから」
「ああ、頼む」
小声でステラと会話をした後、ジンと一緒にテーブルに座ってステラを待つことにした。
「チョットいい?」
俺とジンがテーブルに座って待っていると、二人組の女性が俺達に近づいて話し掛けてきた。
その二人組の女性に振り向くと、「キャーー!」と奇声を上げる。だから人の顔を見て悲鳴を上げるのは失礼だと自覚しろ。
二人組の女性は本当に身を守れるのかと疑うヘソやら太腿などを露出した皮の鎧を着ていて、どうやら生まれる時に羞恥心を置き忘れてきたらしい。
顔はそこそこ可愛いが、頭はかなり悪そうで彼女達を生んだ両親を哀れに思う。
「やっぱり近くで見ると凄く格好良い、マジヤバイ」
「そうそう、やう゛ぁいっしょ。フードを被った方もチョーイケメン! なんでこの人の服を掴んでるの? メッチャかわいいー」
そう言って俺をジロジロと見たり、ジンを覗き込んで顔を見ると奇声を上げた。それと、「ヤバイ」の上位語が「やう゛ぁい」だと知る。
俺からしてみれば、お前等の方がマジやう゛ぁい。それに男だったら即行で通報される行為も女だと許されるのがムカつく。
「ねぇねぇ、今って暇? 良かったら一緒にどこか行かない?」
俺が二人に呆れていたら、発情したメスが逆ナンしてきた。
そんなにヤリたいなら、二人で全裸ストリップレズショーでも始めろ。それを動画に撮ってSNSで世界中に公開してやるよ。
「すまないが、人を待っている」
「今受付に並んでいるあの子でしょ。あんな子なんて放っておいて行こうよ」
自己中乙。
ジンは彼女達に話し掛けられても、そこに誰も居ないかのようにぼーっとしていた。さすがホモ、女には興味がないらしい。
何も行動しないジンの替わりに、俺が溜息を一つ吐いて二人に話し掛ける。
「君達は俺達をどう思う?」
「え? もちろんチョーイケメンじゃん」
「だよね。こんな格好イイ人が居るなんて、見た瞬間ビックリしちゃった」
俺とジンをウットリと眺めて容姿を褒めるけど、別に嬉しいとは思わない。
これも俺のオティンティンが立たないが故の弊害と言えるだろう。
「なるほど、では次に君達自身はどう思う?」
「「え?」」
俺の質問に二人が首を傾げる。
「俺達を格好良いと言ってナンパに誘ってきたが、その俺達に君達二人は釣り合っていると、そう思っているのか?」
「「…………」」
「確かに君達二人は可愛くて格好もセクシーだ。男をその気にさせて奮い立たせようと努力しているのは理解するし、頑張っていると思う。
だけど、俺もコイツもその手の女性は多く見てきたから分かるんだ。女性と言うのは外見も必要だが、内面も必要なのだと……。
もし俺達と付き合いたいのなら、既に可愛い外面よりも、内面の美しさに磨きを掛けて欲しい。そうすれば俺達以外の男性からもきっと声を掛けられると思う」
遠回しに言ったけど、簡単に言うと「馬鹿に用はないから帰れ」だ。
「えっと、よく分かんない」
「うん。難しすぎて分かんなかった」
……本当に馬鹿?
俺の周りに居てコッソリ話を聞いていた奴等は、俺の言葉の意味を理解したのだろう。二人を影からクスクスと笑っていた。
「あ、そう。だったらいいよ、デートしても。ただし、どっちか一人ね」
そう言うと二人が同時に驚いていた。
「「え?」」
「だから、君達二人の内一人だけいいよ。俺とコイツで逆ハーレムプレイをやって楽しませてやるよ」
「「…………」」
「時間がないから早く決めてくれ」
そう言うと、最初の内は二人で話し合っていたけど次第に言葉が荒くなって言い争いが喧嘩になった。
「いいね。キャットファイトとか最高だぜ」
俺が心の中で嘲笑いながら取っ組み合いをする二人を眺めていたら、様子を見ていた周りの奴等から「ヒデェ……」と呟く声が聞こえた。
「お待たせ。買って来たわよ」
「あ、お疲れ。んじゃ行こうか」
ステラが戻って来たからジンと一緒に席を立つ。
「彼女達は誰? 知り合い?」
ステラが目の前で取っ組み合いの喧嘩をしている二人を見て首を傾げる。
「さあ?」
両肩を竦めると、叫び声が聞こえる盗賊ギルドを後にした。
ギルドの外に出てステラとトレードをする。
「纏めてローラさんに請求するから領収書もこっちに渡して、金は今払う」
「オッケー」
トレードを終えると、ジンにロックピックとペンライトを渡した。
「ジンはこれを使え」
ジンは頷くと受け取ったアイテムをポケットに入れた。
「ああ、鞄がないのか。NPCってのは不便だな」
「私達プレイヤーがチートなのよ」
「確かにそうだな。鞄も買うか」
「どこで売ってるのかしら。今まで鞄に不便を感じなかったら意識して探した事ないわね。雑貨屋にでも寄って行く?」
「『ヨツシー』の桃に作らせれば良いだろ。アイツも暇だから通行人にスピアーを喰らわせてるんだから」
「私、あの人苦手なのよね」
アイツが得意な奴は居ないと思う。
「そうなのか?」
「だっていきなり突っ込んでくるじゃない」
「突っ込んで来なかったところを見たことがねえな」
「だよね。前にチンチラとあそこの店の前を通ったら、いきなり現れて私達に向かって来たと思ったら……」
「……やられたか?」
「ううん。目の前でゴンちゃんに足を引っかけて、地面に顔面からズザーーって滑って凄かった」
「……相当の馬鹿だな」
「馬鹿かどうかは分からないけど、起き上がった時に顔面が血まみれで、その状態で「いらっしゃい」と言われてもねぇ……」
「客は確実に逃げるな……」
本当にあの店は大丈夫なのか?
「ちょっと寄り道するぞ」
『ヨツシー』の店に行く途中、タカシの店に寄ることにする。
「どこに行くの?」
「マーケット通り近くにある露店広場。懇意にしている木工系のプレイヤーが居てね。お前も弓のメンテナンスや改造をするだろ。紹介してやるよ」
それを聞いてステラが嬉しそうな表情を浮かべる。
「あ、それは助かるかも。そろそろ私の弓もパワーアップしたかったし」
「今持っているヤツってコトカの財宝で手に入れた奴だろ。もう必要なのか?」
「今すぐって訳じゃないけど、今の内からツテは欲しいかなって」
「その考えは正しいな」
「でしょ。レイもクロスボウはあまり使ってないみたいだけど、そこでメンテナンスしてるの」
「ああ、ほら、俺のはこんな風になった」
そう言って鞄からショットガン式クロスボウを見せると、ステラが身を乗り出してガン視した。
「……何これ?」
「クロスボウだけどなにか?」
「どこが?」
「それを言われると、俺も同じ意見だから何とも言えねえけど、一応ショットガン、違った、クロスボウだから」
「……今、思いっきり言い間違えたよね」
「まあな。だけどこれだと二発までなら連続で放てるから、クロスボウのデメリットだった装填速度はかなり上昇したぞ。ジンも凄いと思うだろ」
後ろを振り返るとジンも頷いてから、紙に何かを書くと俺に渡した。
『格好イイ』
「な、やっぱり分かるヤツは分かるんだよ」
「私の場合どうなるのかしら?」
「ライフルになるんじゃないかな?」
「そうなったら、もう別ゲーね」
マーケット通りの広場に行くと、タカシが経営している露店に立ち寄った。
「よっ」
俺が声を掛けると、タカシが笑顔で迎えた。
「あれ、レイ君じゃん」
「ああ、様子見とコイツを紹介しようと思ってな」
そう言ってから横のステラを親指で指さす。
「初めまして、ステラです」
「あ、えっと、あの『ニルヴァーナ』のステラさん?」
ステラが名乗るとタカシが驚いていた。
「そうだけど私の事を知っているの?」
「も、もちろんですよ。だってあの『ニルヴァーナ』の二大アイドルの一人ですから……サインいいですか? あ、できれば「タカシ君へ」って書いてくれると嬉しいな……」
どうやらタカシはステラ派らしい。どこから出したのか分からんが色紙をステラに渡した。
「モテモテじゃん」
「最近こういうの多いのよね」
そう言いながら色紙に自分の名前と『ニルヴァーナ』と書いてから「タカシ君へ」と追加で書いていた。コイツ……アイドル慣れしてやがる。
「ひゃっほー!! ありがとうございます。この露店に飾って自慢しますね!!」
「あははははは」
喜ぶタカシとは逆にステラは引き攣った笑いしていた。
「それで例のヤツは順調か?」
俺がショットガンの話をすると、タカシが「ふふふ」と待ってましたとばかりに笑みを浮かべる。
「実はもう出来上がっているんだよね」
「は? あれからまだ数日しか経ってないぞ」
「実は共同で開発している人が実際にガンスミスをしている人で、話をすると凄く興味を持ってね。あっという間に作っちゃったんだ」
「へー……外人?」
「いや日本人だよ。ハワイでご両親と一緒にガンスミスショップを経営しているらしいね。色々な意味で有名だから知ってるかな。『ヨツシー』のルイーダって人なんだけど……」
「……ああ、あのフリーダムか」
その名前を聞いて、メスを吐き捨てた緑の猫を思い浮かぶ。
「まあ、確かに自由な生き方をしている人だよね。店に行っても滅多に居ないし。だけど作る品はどれも銘品だから一部のプレイヤーじゃ人気だよ」
「そうなのか? 俺はロールプレイの関係でアイツの作ったのは一つしか持ってないから、それは知らなかったな」
パイプ椅子だけど。
「一つでも持ってるだけで凄いよ。彼女は自分が気に入った人にしか作らないんだから。
僕は詳しく知らないんだけど、ベータ時代に有名だった『ワン・ウーマン・アーミー』って人がオーガーを一撃で葬り去った時に使っていた大剣が彼女の作品で、品質は少しだけ足りなかったからシステムの銘は付かなかったけど、プレイヤーの間ではオーガーキラーって有名な剣だったらしいよ」
「よく分からねえが、そいつ等誰だ? 俺の知っているルイーダとロビンじゃねえな」
最近、俺の知り合いがほぼ全員有名人な事に気付いたが、実物像を知っている俺からしたら、どこのどいつかと思考が理解できない時がある。
「ん? 何でそこでロビンさんの名前が出るの?」
タカシがロビンの名前に首を傾げる。
「……言ってなかったけ? あいつが『ワン・ウーマン・アーミー』だぞ」
「マジで?」
「ヒデェ話だろ」
「今度サイン貰わなきゃ!」
あ、コイツもどこかイカれてやがる……。まとも、まともな奴はこのゲームに居ないのか?
「……それでショットガンは?」
「あ、忘れてた。ハイこれ」
タカシが鞄からショットガンを出すと露店に置いた。
そのショットガンを見た俺とステラが驚き、ジンは目を輝かせる。
俺が持っているショットガンは1900年以前に作られた初期のポンプアクション式ショットガンに似ていたが、今回のヤツはどう見ても2000年以降の品で、時代、機能共に進化していた。
「どこかで見た事あるな」
これを以前、映画か何かで見た記憶がある。
「あ、やっぱり分かる? モスバーグM500をモデルに作ったんだ。やっぱりショットガンと言ったらコレだよね。
説明するとね、M500Aをモデルにしているから口径は12ゲージで破壊力は抜群だよ。
ポンプアクション式で全長は約1m。弾数は6発だけどハンドグリップをスライドすれば最大8発は入るよ。レシーバーにアルミ合金を使いたかったけど、存在しないからスチールになったのは残念だったかな。少し重くなっちゃった」
「「…………」」
詳しすぎる説明を聞いて俺とステラが唖然としているのを、真剣に自分の話を聞いていると勘違いしたタカシが説明を続ける。
「それと弾はバックショットの9粒弾にしたよ。射程は30mぐらいかな。ゴブリンだって一発で倒せると思う。もしそれ以上に大きな敵と戦うなら、こっちのスラッグ弾を使った方が良いかも。これなら熊だってイチコロさ♪
ライフルスラッグ弾も考えたんだけど、あっちは細工スキルも必要だから、諦めるしかなかったねぇ……やっぱりライフリングは工具がないと難しいよ。もし作れたら射程も伸びたんだけど……」
「お、おう、それでタカシ、一つだけ聞きたいんだけど、いいか?」
どこまでも続く話を遮って、タカシを止める。
「え? まだ説明が終わってないけど、何?」
「ショットガンの性能は分かった。それで今一番聞きたいのは、これってさ、クロスボウスキルに対応しているのか?」
「…………」
……あれ? 何で無言になるのかな?
「……タカシ?」
「……てない」
「「……え?」」
俺とステラが首を傾げている目の前で、タカシが頭を抱えて叫び出した。
「しまったーー大事なことを忘れてたーー! これクロスボウスキルに対応してないーー!!」
叫ぶタカシを呆然と見ていると、横からステラが俺を突いて耳元で囁く。
「この人、どこか変だよ」
「……趣味が高じてマニアックと呼ばれる人種は人として大事な何かを捨てているんだ。だから、あれが普通だ」
そう言い返すと「確かにそうね」と呟いて俺を見ながら溜息を吐いた。
その無言の視線で何が言いたいのか分かったから彼女を睨み返す。
「いや、待てよ……まだ手がないわけじゃない。レイ君!」
路上で絶叫パフォーマンスをして群衆の視線を浴びていたタカシの動きが止まっと思いきや、突然俺の方へとガバッと振り向く。
「お、おう?」
「君の持っているショットガンを貸してくれ」
「この人もショットガンって言ってるし……」
横でステラが呟いているけど、今は無視。
「君のショットガンのグリップを使って無理やりクロスボウをして認識させるんだ。そうすればこれもクロスボウとして使えるはず」
それ、貸してくれじゃなくて、寄越せって言ってなくね?
「えっと、そうなると俺が使っているヤツはどうなるんだ?」
「もちろん使えなくなるよ!」
いや、そう面と向かってハッキリ言われると、逆に対応が困るんだけど……。
「もう諦めたら? どう考えても、彼は引かないわよ」
ステラが横で肩を竦めてるけど、これ70gしたんだけど……。
「えっと、タカシ、チョットいいか」
「何?」
「俺のショットガンを渡した場合、俺は何の得を得るのか、それを一から説明してくれないか?」
「あ、そうか。だったら、完成したショットガンを替わりに上げるよ」
「ふむ、それはなかなか良い提案だ。俺がそれの開発資金を提供していなかった場合に限ってだがな」
それでタカシが俺に何の得もない事に気が付いたらしい。
「え? ああ、そういえばそうだったね。だったら、うーん……そうだ。もう一丁作るから、それの資金を半額ってことでどう? あ、待って、ロビンさんの事を忘れてた、えっと、どうしよう」
「あー……ロビンの事は気にしなくてもいい」
「え? そうなの?」
タカシが首を傾げる。
「アイツ、後からスキル枠が足りない事に気付いて、どれも外せないって事でショットガンは俺に譲るって言ってた。馬鹿をさらしてスマンって言ってたぞ」
「絶対に馬鹿は付け加えたよね」
ステラからの突っ込みは無視。
「そうなの? だったら、さっきの提案でどう?」
「二挺目は半額で40g?」
「それでいいよ」
「なんかテレビのお買い得商品みたいな販売方法だな。ジン、お前もショットガン使うか?」
振り向いてジンを見れば、驚いたのか身を乗り出して俺をジッと見てから、サラサラと紙に書いて俺に見せた。
『いいの?』
「スキルがあればだけど」
ジンが頷いた後、再び紙に何かを書いて俺に見せた。
『使える』
「じゃあ決まりだな」
鞄からショットガン式クロスボウを取り出してタカシに渡す。
「やったー! 一時間ぐらいで終わるからそれまで待っててね」
「あ、タカシ。弾に属性は付けられないか?」
「属性? ウォーターアローとかアースボルトとかみたいに?」
「そそ、それ」
「できるけど。そうだな……バックショット弾だと威力が無駄に多そうだけど、バードショット弾をチョット弄って球数を少なくすればいけるかな?」
「だったらそれぞれ10ずつ作ってくれ、これは別料金でいいから」
「了解、そっちも作っとくよ」
コンソールの時刻をを見たら12時を過ぎていた。
「ステラ、ジン。タカシの作業が終わるまで、メシでも食わね?」
「そろそろ、そんな時間ね」
「じゃあ悪いけど、メシ食ってくるからその間に頼む」
「了解。あ、この広場にラーメンの屋台ができたから、食べるならそこがおススメだよ」
「そうか、そこに行ってみるよ」
「いってらっしゃーい」
俺達に手を振った後、他に目もくれず作業に入ったタカシを置いて、俺達はラーメン屋に向かった。
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