第25話 変な人

 キンググレイスに入る前に表が赤地のフードマントをジンに渡す。


「一応、お前はまだ犯罪者だからな。これを被って顔を隠せ」


 ジンがフードを受け取ると深めに被り顔を隠した。


「オーケー。何処からどう見ても怪しい変質者に見えるぜ。変態だからって衛兵に誘われてもホイホイ付いて行かずに何も言うなよ、俺が対応するからな。ああ、対応と言っても、別に一発やる訳じゃないから安心しろ。ん? そういや、お前は言葉が喋れなかったな。ワリイ、ワリイ」


 俺の話にジンが黙って頷く。

 俺も何時ものフードを羽織ると深めに被り顔を隠した。


「んじゃ行くか」


 俺の後をジン付き添うように歩き、人通りの多いキンググレイスの大通りに向かって移動した。




 今、俺とジンは東の移動ポータルゲートの前に立っていた。

 このキンググレイスは街が広すぎて、多くのプレイヤーから移動が不便だとクレームが運営に来ていた。

 そこで運営側は東西南北と中央の五カ所のポータルゲートを作った。

 ちなみに、このゲートを作るのを最後まで反対していたプロデューサーがビデオライブで不満を漏らしていたが、閲覧者全員からの野次に渋々と作ったらしい。

 俺がその話をシリウスさんから聞いた時、そのプロデューサーに対して「お前は山手線の線路を徒歩で一周して来い」と思った。


 目の前のポータルゲートは石作りの祭壇の様な場所で、地面には不可思議な魔法陣が青く描かれていて、多くの人が出入りしていた。渋々作ったにしては、ファンタジック丸出しで良い作りだと思う。


 急遽運営が作ったポータルゲートだが、作成した当初は多くのNPCが動揺したらしい。

 それも当然で、今まで苦労した物流が場所限定とはいえ、あっという間に移動できるのだから、物や人を運んで日銭を稼ぐ労働者からしてみれば、仕事を取られたといった気分だろう。

 だけど、労働者が暴動を起こす前に国が物流の組合を作って、各地域での小規模な運搬を組合に委託、その組合に労働者が仕事を受けるという形で何とか落ち着いたらしい。




 ジンがポータルゲートを見て、紙にペンを走らせて俺に見せる。


『入った事がない』

「ケツにイチモツを何度も入れてるのに、こっちは一度もか?」


 聞き返すとジンが頷く。


「流通と物流、ついでに交通を知らないアホが街を作った結果、市民の不満度が跳ね上がって急きょ作られたチートだから害はないぞ」


 ゲームのプロデューサーが馬鹿なだけで、間違ってはいないと思う。

 そう説明してもジンは入るのに抵抗がある様子だった。まあ、俺も今の自分の説明を聞いて素直に入る気持ちにはならない。


「仕方ねえな。一緒に飛ぶから俺に捕まれ」


 ジンが頷いて俺の手を握る。チョット待て、男同士で手を繋ぐとかマジでキモイ。

 手を振りほどき、ピシャっと手を叩いて睨む。


「男同士で手を繋ぐな。誘ってもテメエのケツなんて興味ねえよ。フードの端でも掴んでろ」


 小声で文句を言うと、ジンがしょんぼりしながらフードを掴んだ。

 キンググレイスの中央へ飛ぶポータルの中に入って少し待つと、ポータルゲートが起動して目の前の景色が変わった。

 俺達や他の人達がポータルゲートを出ると、入れ替わって移動を求める人達が中に入る。どうやら自然とエレベーターに出入りするようなマナーが出来上がっているらしい。


 ポータルゲートを出て貴族街へと向かう。ジンはなぜか俺のフードを掴んだままだった。




 移動中、ギルドハウスに向かう前に姉さんにチャットを入れた。


≪姉さん、今いいかな?≫

≪あら、レイちゃん? やっほー。無事だった?≫


 別に無理して口癖を言わなくてもいいと思う。


≪今、帰ってきたところだけど、そっちは?≫

≪こっちも昨日クエストを終えて帰ってきたところよ。レイちゃんの代わりにジョーディーちゃんがアルサちゃんをパーティに入れてくれたから、扉の鍵開けとか罠の解除をしてくれて、こちらも全員無事よ≫


 腐女子コンビと聞いて、心の中でモンスターの股間の無事を祈る。


≪へー……あいつ鍵開けなんてできたのか、兄貴の方はさっぱりだったのにな。それで用事だけど、姉さんに一人見て欲しいNPCが居るんだけど良いかな?≫

≪私に?≫


 姉さんが通信先で首を傾げているのが分かった。


≪確か大学に居た時、悪趣味で心理学っぽいの齧ってたよね≫

≪よく覚えているわね、少しだけ勉強したわ。それと悪趣味じゃないわよ≫

≪それで児童虐待の後遺症で口のきけないNPCの心を見て欲しいんだけど、いいかな?≫

≪……見るだけならいいわよ。だけど私は心の病気を治す事なんてできないから、それだけは理解してね≫


 人の心を打ち砕くのはよくやるけどな。


≪もちろん。それじゃまた後で……≫


 姉さんとのチャットを不思議そうに見ていたジンに声を掛ける。


「ジン、俺の家に帰る前に少し寄り道していくぞ」


 俺のフードを掴んだままのジンが頷いた。




 俺が前を歩いて後ろのジンが俺のフードを握りながらトコトコと後を歩く。

 ジンが子供だったらまだ愛くるしい兄弟に見えるかもしれないが、俺と同じぐらいの身長の青年がフードを掴んで歩くのはやはり変だったのだろう。

 貴族街に入る門で警備をしていた若い衛兵が俺達の姿を見て呼び止めた。


「あーチョットいいかな?」

「何? 俺のケツはやらんぞ」


 お前も俺のビューティフルなケツ狙いか?


「いや、お前の尻には興味ないんだが、君達は何をしているんだ?」

「ああ、すまない。最近、ケツを好きの奴らに囲まれて少し警戒していた」


 まだ一人、油断すると俺のケツの穴を舐めそうなのが、後ろに取りついているけどな。


「……大変なんだな」

「いろいろとな」


 衛兵の同情に溜息が出る。


「それじゃ」

「いや、いや、いや、チョット待て!」


 歩き去ろうとしたら、また衛兵に止められた。

 後ろのジンはそれでもフードから手を離そうとしない。コイツ、頭がおかしくなったんじゃねえか?


「何? 人と会う約束があるから、できれば早くして欲しいんだけど」


 そう言うと衛兵が少し警戒を解いた。


「ん? 中で誰かと待ち合わせなのか?」

「そうだよ。そうじゃなかったらこんなクソが大勢住んでいるところに来るわけないじゃん」

「あまり大きな声で言うな、捕まるぞ……それと、身分を証明できる物はないか? 最近ちょっとトラブルがあってね」

「街中の噂になってるから、ごまかさなくても知ってるよ。アサシンだろ」


 そう言うと衛兵の兄ちゃんが苦笑いをしていた。そのアサシンが目の前に居るけどな。


「身分を証明する品ねぇ……これで良いか?」


 鞄からギルドのエンブレムマントを取り出して衛兵に見せると、彼は驚いた様子でマントをジッと眺めていた。


「『ニルヴァーナ』の人だったのか……君達の活躍でアースとの海運が再開されたと聞いている。特に『プチキャット・フロム・ヘル元帥』の活躍はこの国の騎士団でも注目を浴びているぞ」

「……そうなの?」


 その話は俺も少しだけ聞いている。

 コトカで荒れた海を元に戻すため、祠に指輪を収めた時に大量のモンスターに襲われたという話はコトカでも聞いていた。

 だけどブリトンに着いた後で他のプレイヤーから聞いた話だと、そのモンスターと戦った時に全体の指揮を執ったのがチンチラだったと聞かされて、何も知らなかった俺は驚いた。

 詳しく聞くと、モンスターに囲まれる前にチンチラが全体の指揮を執ったらしい。そして、チンチラが指揮を執ると聞いた戦コレのプレイヤーから……。


「フロム・ヘル降臨!!」

「プチキャット・フロム・ヘルが指揮を執るぞ! 勝てる! どんな敵でも勝てるぞ!!」

「チンチラの命令に従え!!」

「フロム・ヘルに逆らう奴は、俺がお前をゴー・ツゥー・キル!」


 上記の歓声が上がったとか。俺がチンチラなら恥ずかしさのあまり、全員を見捨ててログアウトするね。

 結局、戦いは圧倒的なピンチから一気に逆転して皆殺しにしたと聞いている。

 それで『ニルヴァーナ』がさらに有名になって、チンチラは『プチキャット・フロム・ヘル元帥』の称号をこのゲームでも手に入れたらしい。




「ああ、『ニルヴァーナ』の館に騎士団長が表敬訪問に行くという話も出ているからな」

「多分、元帥の姿を見たら驚くと思うぜ」


 付いたあだ名に対してあまりにも違う可愛さにな。ちなみに、チンチラは「何でヘルなの?」と、このあだ名を嫌っている。


「そうなのか? まあ、いいや。そのエンブレムは十分な身分証になる。それで後ろの変な奴は?」

「連れ」

「変な連れだな。まあ、何かあったらそっちで責任を取れよ」

「ほいほい」


 若い衛兵にヒラヒラと手を振って貴族街へと入る。


「なあ、お前、何時までフードを掴んでいるつもりだ?」


 そう言うと、ジンがフードから手を離して紙に何かを書いた後、紙を俺に渡してからまた俺のフードを掴んだ。


『離せと言ってない』


 え? 俺のせい?


「じゃあ離して」


 そう言うとジンが渋々フードから手を離した。


「……そんなに嫌なら、掴んでていいよ」


 その様子に溜息を吐くと、再びジンが俺のフードを掴む。


「意味分かんない」


 こうして、俺はジンにフードを掴まれたまま、ギルドハウスへ向かった。




 ギルドハウスに入ると、玄関横のサロンでチンチラ、ステラ、それにローラさんが楽しそうに女子会を開いていた。

 ローラさんは女子大生と聞いていたから、女子高生二人の会話に混ざるのは少し無理がありそうだったけど、頑張って若作り……いや、二人の会話に必死に喰らい付いていた。


「あ、レイ君お帰り。話は聞いてるよ、大変だったみたいだね」


 入って来た俺に気が付いたチンチラが声を掛けてくる。これがフロム・ヘルだという事実に俺はまだ実感が沸かない。


「まあ、それなりにね。それで姉さんは居る?」

「うん、二階に居るはずだよ」

「分かった、ありがとう」

「ねぇ、ねぇ。レイの後ろに居るのは誰?」


 礼を言う俺にステラが後ろのジンを見て尋ねてきた。


「コイツはジン。今回の依頼で救出したフリーの盗賊だな。いや、暫定だけど元フリーになる……のか?」


 俺がジンの顔を見て一緒に首を傾げる。


「そうなの? 私はステラ、こっちがチンチラで、後ろに居るのがローラさん。ジン君、よろしくね」


 ステラが皆を紹介するのをジンは黙って聞いていた。


「……彼、どうかしたの?」


 その様子を訝しんだステラが俺に質問する。


「コイツ、喋ることができないんだ。悪気はないから勘弁してやってくれ」

「そうなの?」

「ああ、ジン、挨拶ができないのなら、顔だけでも見せてやってくれ」


 ジンが俺の命令に従って深めに被っていたフードを捲り、素顔を彼女達に晒した。


「うわっ、格好良い!」

「何この人、チョーカワイイ!!」

「そうね、格好良いというよりも可愛い子ね……だけど、何でレイ君のフードを掴んでいるのかしら?」


 上から順にチンチラ、ステラに痴女、いや、ローラさん。

 ジンが顔を見せた後もキャーキャー発情する三人を眺めていたら、二階から姉さんが降りてきた。




「レイちゃん、やっほー。この子が例の男の子?」

「男って言ったっけ?」

「言ってないわ。ただそう思っただけよ」


 魔女としての勘か? 俺の両親も恐ろしい女を生んだものだ。


「レイちゃん、何を考えているの?」

「姉さんの勘の良さに驚いていただけ」

「……まあいいわ。彼、名前は?」


 姉さんが俺をジロ目で見た後ため息を吐く。俺も心の中で安堵のため息を吐く。


「ジン」

「そう、ジンちゃんね。とりあえず、レイちゃんと一緒に私の部屋へいらっしゃい」


 誰構わず初対面で「ちゃん」付けするのは、相手を侮辱している事にそろそろ気付け。


「サロンのソファーに空きはありますよ」


 ジンを見て可愛いと発情しているローラさんが姉さんに言うけど、痴女よ、そんなにこのジンが気に入ったのか?

 あれ? そういえば、ローラさんはシリウスさんを狙って……ハッ! さすが痴女。ジンを交えての3Pか!?

 コイツはバイセクシャルだから、プレイの幅が大いに広がるぞ。二穴でもいいし、間に挟んで連結だって思いのままだ。


「ゴメンね。ちょっと深刻な話で、もしかしたら彼を傷つけるかもしれないから我慢してね」

「そうなの?」


 俺も昼間からオチンチンを欲しがるのは早いとローラさんに頷く。


「だったら仕方がないですね。レイ君、後でちゃんと紹介してね」

「はいはい。あ、ステラ」


 ローラさんに相槌を打った後、ステラを呼ぶ。


「何?」

「盗賊ギルドに行ってペンライト用の魔石、それと強力な懐中電灯があったら買ってきてくれ」

「えー何で私が?」

「仕方がないだろ、盗賊ギルドに属しているのがお前だけなんだから。ブックスさんの仕事が終わらない限り、俺はフリーで盗賊ギルドに所属できないんだから頼んだぞ」

「あーそう言えばそうだったわね。了解、後で行ってくるわ」

「ああ、宜しくな」


 ステラに片手を上げた後、俺とジンは姉さんの部屋へと向かった。




 姉さんの部屋は家具やベッドをクラッシック調に変えただけなのに、俺の部屋と比べて落ち着きのある空間だった。


「落ち着いた良い部屋だな。おかげで何か落ち着かねぇ」

「ふふふ」


 軽く冗談を言うと、姉さんが軽く笑う。


「今は私達とジンちゃんしか居ないんだから、皮肉で自分を守る必要はないわよ」

「……ああ、そうだな」


 姉さんの言い返しに両肩を竦める。


「じゃあ適当に座って待ってて」


 姉さんに促されて、俺とジンが部屋の中央にあるテーブルの椅子に座る。


「ジン、この魔女……ゴホン! この人は俺の実の姉だから警戒する必要はない。だからフードから手を離していいぞ」


 俺は警戒するけどな。


「…………」


 ジンは俺の言うことを無視してフードを放そうとせず、姉さんを観察していた。


「ダメか……」

「ふふふ。信頼されているのね」


 笑いながら姉さんがケトルポットとティーセットをテーブルに運んで、自分も席に座る。

 これが本当に信頼の行動だったら俺も妥協するが、もしこれが「今晩やろうぜ」という誘いだったらと思うとサブイボが出る。


「それじゃ、始めましょうか。ジンちゃん。レイちゃんと一緒に旅をしてきたけど、彼をどう思う?」


 どうやら姉さんは核心を突く前に、俺の話をして警戒を解くつもりらしい。

 姉さんの質問にジンがようやく俺のフードから手を離して、紙に何かを書いた後、テーブルの上に置いた。

 そのメモを俺と姉さんが同時に見る。


『変な人』


 ……怒るな、落ち着け。


「シンプルな回答だけど、正解ね」


 ……怒るな、落ち着け。キレるのはまだ早い。


「それで、どこが変だったのかしら?」


 ジンが少し悩んだ後、再び紙に何かを書いてテーブルに置いた。


『樽をかぶって寝る』

「「…………」」


 ジンのメモを俺と姉さんが見た瞬間、この部屋に静寂な空気が訪れた。


「……レイちゃん」

「……何かな?」

「一人で居る時、普段どんな生活をしているの?」

「えっと……たまにちょいとスピリチュアルなノリで自分探しの旅には出るけど、公然猥褻だけはしてないな」

「……後で詳しく聞かせてもらうわよ」


 俺の返答に姉さんが頭を押さえて溜息を吐いた。


「レイちゃんはジンちゃんに何をしてくれたのかしら?」

『殺してくれなかった』


 メモを見て姉さんが少し悲しそうな顔をする。


「そう……それを残念に思う?」

『分からない』

「何か欲しい物はある?」

『分からない』

「レイちゃんに何かして欲しい事は?」


 その質問を聞くとジンが数分間悩んで、俺をチラッと見た後メモを出す。


『傍に居て欲しい』

「……本当にそれだけかしら?」


 姉さんの再度の問いかけに、今度は少し動揺してから再びメモを出した。


『抱いて欲しい』

「チョッ……」

「レイちゃんは黙ってて。そう……レイちゃんに抱いて欲しいのね」


 そう姉さんが言うとジンが頷いた。

 ヤバイ、ガチでヤバイ! コイツ、本当に俺のケツを狙ってやがる。やっぱりフードを掴んでいたのは誘っていたのかコノヤロウ!

 いや、待てよ。抱いて欲しいって事は俺がジンのアレをしゃぶって、ケツに竿、つまり俺のナニを入れるって事か? バーカ、バーカ、俺はEDで立たねえよ……チクショウ!


「ありがとう。でもレイちゃんはあなたを決して抱かないわ」


 当たり前だ。俺だってプレイ内容はアブノーマルかもしれないけど、最初はノーマルに女とヤりたい。


『知ってる』

「そう……それならいいわ」


 その後、姉さんはジンとの会話で核心に迫る話を一切せずに、当たり障りのない質問を繰り返して会話を続けた。


「ありがとう。疲れたでしょ、少し休んだ方が良いわ」


 話が終わると、姉さんが小声で『スリープクラウド』を唱える。

 それでジンがぼーっとした様子を見せた後、テーブルに伏せて眠った。

 何で姉さんは魔法詠唱や操作が他人と比較して丁寧なのに、いざ攻撃となるとまともに当たらないのか……本当に謎だと思う。


「大体、分かったわ」

「そうなの?」


 今の会話から何が分かったのだろう。

 俺にはコイツが俺のケツを狙っている危険人物だとしか分からねえ。


「ええ。それで、ジンちゃんが起きていて聞けなかったけど、レイちゃんが助けた状況と彼の事を詳しく教えて」

「ああ、結構えぐい内容だから覚悟してね」

「……了解」


 姉さんにジンが監獄で守衛に犯されていた事、それと少年期の頃から大人に性的に虐待されていた事を話した。

 もしこの話をジョーディーさんが聞いたら、きっと鼻血を出してぶっ倒れていただろう。


「そう……予想通りが半分と、予想外が半分ね。とりあえずジンちゃんをレイちゃんの部屋のベッドに寝かせましょう。それからヨシュアちゃんを呼んでそこで詳しく説明するわ」


 ヨシュアさん? ホモに同一性障害を当てさせてどうするんだ?


「なんでヨシュアさんが出てくるの?」

「ヨシュアちゃんのお父さんはAIの研究者なの、それでヨシュアちゃんもAIに詳しいのよ」

「へー……なるほどね。じゃあジンを運ぶから扉を開けて」

「お願い」


 ジンを肩に担いで俺の部屋のベッドに投げ捨てた後、俺と姉さんは一階に降りてヨシュアさんに会いに向かった。

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