47話 結婚記念日 その23

キッチンに戻り冷蔵庫の中にしまってあったホールケーキを取り出す。

ケーキナイフとお皿を2枚持ち、クラリスの待つリビングへと向かう。


「はい、お待たせ。お待ちかねのお楽しみだよ」

「わぁ~‼ これってひょっとしなくてもホールケーキ⁉」

「そうだよ、クラリスが喜ぶと思って前々から用意しておいたんだ」

「ありがとうロッゾ、とっても嬉しいわ」

「喜んでもらえたみたいで何よりだよ。お皿に分けるからちょっと待っててね」

「私も手伝おっか?」

「いや、大丈夫だよ。クラリスは座ってて?」

「何から何までごめんね?」

「全然いいよ、気にしないで」

「ありがとうロッゾ」

「さ、分け終わったよ。食べちゃおっか」

「ええ、そうね」


ケーキを分け終わったのでフォークと一緒にクラリスの前へと皿を出す。


「「いただきまーす」」


まずはイチゴから。2人同時にてっぺんにあるイチゴをフォークで一刺ししてから口に運ぶ。


「ん、美味しいわね」

「そうだね。確かここら辺で取れる1番いいイチゴを使ってるらしいよ」

「へぇー、今度このイチゴ買ってみようかしら」

「いいんじゃないかな?」


次はケーキ本体だ。フォークで1口サイズまで切ってから食べる。


「んー、生クリームといいスポンジといいなかなか美味しいわね」

「だね、ちょっと高めだったけど買って正解だったよ」

「もう食べ終わっちゃった。お代わり貰っていい?」

「もちろん。まだまだあるからどんどん食べてね」


クラリスにケーキのお代わりをよそってあげる。


「はい、どうぞ」

「ありがとねロッゾ」

「どういたしまして。僕もお代わりよそっちゃおうかな」


そう言って僕の皿にも追加のケーキを乗せる。


「うん、やっぱり美味しいね。止まらないよ」

「そうね、このまま食べ尽くしちゃう?」

「程々にしないと太っちゃうよ?」

「それはこの後運動するから大丈夫よ」

「あはは、そうだね。じゃあ食べ尽くしちゃおっか」


そう言ってケーキを食べる僕とクラリス。今日は楽しい結婚記念日になったなぁ。

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