第2話 年齢不詳なウチの嫁さん
僕は夜戦で嫁に絞り尽くされ、干からびかけた状態で朝を迎えた。
「クラリスゥ……死ぬぅ……死んじゃうぅ……」
「ふぅ~。久しぶりだったから少しはしゃいじゃった♪」
「もう……勘弁してください……」
掠れた声をカラッカラの喉から絞り出す。
ホントに死ぬ。マジで死ぬ。気持ち良かったけど僕まだ死にたくないよ……。
瀕死で干からびかけた僕に比べ、クラリスは無駄にテカテカしている。
「朝ごはん作れる? 無理そうなら私が作るけど」
「やめて……まだ死にたくない……死にたくないよぉ……」
クラリスのご飯。想像しただけで寒気がする。鳥肌が異常なまでに立ち、全身の震えが止まらない。
「ロッゾ、それどういう事? 私は続きしても良いんだけどなぁ……」
「ゴメンなさい……ゴメンなさい……ゴメン……なさ……い……」
「ホントに死にそうだからそれは止めといてあげる。お水取ってくるね」
「ありがとう……」
掠れた声で返事をする。水を貰えれば多少は生き返るだろう。クラリスには申し訳ないが、今の僕ではマトモに料理を作れる気がしない。この事態を想定して、昨日余った食材で作った朝食が冷蔵庫に入っている。前回の夜戦で僕は学習したんだ。クラリスとヤった後は、料理なんて出来るコンディションでは無くなる事。そしてクラリスに料理を作らせると食中毒に見舞われる事。
もう同じ過ちは繰り返さない。だって、まだ死にたくないから。
「ペットボトルのお水取ってきたよ。自分で飲める?」
「ありがとう……自分で飲めるよ……」
水が僕の喉を潤す。ペットボトルの中身がどんどん減っていき、500mlのペットボトルの中身が一瞬にして半分になった。
「い、生き返ったぁ~」
「まだ完全復活はしてないんでしょ? 朝ごはんはどうするの?」
「冷蔵庫にあらかじめ作ったのがあるから大丈夫。僕は学習する生き物だからね」
「へぇ~。なら来週またヤろっか? 学習する偉~いロッゾ君ならしっかり精力付けてくれるよね?」
「調子乗ってすみませんでしたぁ! お願いだから一ヶ月に1回位にして下さいホント」
「そんな……結婚してからまだ1年も経ってないのに、もう私に飽きちゃったの? まさか、これが噂に聞く倦怠期ってヤツ……?」
「そんな訳ないでしょうが。なんでクラリスみたいな可愛いお嫁さんに飽きるのさ。ソイツ感性どうかしてるでしょ」
「か、可愛いって……それに倦怠期ってのは冗談よ。て言うかロッゾって私の事そんなに好きだったの?」
「そりゃそうだ。仕事が出来て、スタイル良くて、顔も良くて、話してて楽しい。逆にこんなステータスの女好きになるなってほうが無理でしょ」
「さ、さすがにそこまで言われると私も恥ずかしいな……」
「この年なのに何照れてんだか。……ん? そう言えば僕、クラリスの誕生日は知ってるけど歳知らないな。見た目的には僕と同じ22歳なんだけど……何歳なの?」
「えっ!? それを乙女に聞いちゃう……?」
「いや、僕一応クラリスの旦那だからね? 旦那が嫁の年齢知らないっておかしいでしょ。て言うかなんで年齢知らないまま結婚したんだろう」
「そりゃ私がずっと隠してたからよ。ロッゾに知られて嫌われたくなかったし……」
「僕はそんな事でクラリスを嫌いになんかなったりしないよ。ウチの嫁さんはホント馬鹿だなぁ」
「む。馬鹿とはなんだね、馬鹿とは」
「そのままの意味だよ。ありもしない事を気にしてるからお馬鹿さん」
「むぅ……所でそろそろご飯食べない? 私沢山動いたからお腹空いた」
「僕も沢山吸い取られたからお腹空いた。後、年齢の話はあっちで聞くから。年齢言うまでご飯抜きとかにする?」
「そんな脅し掛けられても絶対に言わないもーん」
クラリスと一緒に、ご飯を食べる為にリビングへ移動をする。
この後ご飯で揺すって口を割らせようとしたが、クラリスは一向に口を割らず「ロッゾに嫌われたくないから嫌」の一点張りだった。正直年齢とかどうでもいいぐらいに萌えた。さっきも言ったが今更年齢なんて気にしないし、クラリスの事を好きな気持ちは多分揺らがないと思う。あと、ご飯はクラリスがかわいかったから普通にあげた。
……また後で質問責めしよ。
こんな感じで、クラリスにとって貴重な休日が始まる。
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