陶酔

あなたとわたし

口と耳は使わずに

指先でことばを交わす


指先が紡いだ言葉はことばをこえてゆき、

ことばにならないものを重んじながら

あたまの中が言語化できないもので満たされ

感じるに耽る


風は香を運び

香は感じるを深める


月のエネルギーを浴び

複雑に絡み合った香りが流れ込み

奥に秘めたものを引き出してゆく


むせ返る茉莉花の香が

あなたの、わたしの、嗅覚を制し

香は感触を呼び醒ます


指先すらふれていないのにふれられ満たしあい

あまいあまい眩暈に酔いしれる

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