人にやさしく

@3923H

人にやさしく

どうしたってみんなこう言うんだ。


君はラッキーだねとか、君はいいねとか、君は頭がいいねとか、頭が悪いねとか!


あいつらは僕のことなんか何一つわかっちゃいないんだ。


たった一回会っただけで何がわかるのさ。何回会ったって僕のことは何もわからない!


僕はそう言われることに慣れているし、一時期は反論だってしたさ。


今ではそれが全く意味のない行為だってわかっているからただ微笑するんだ。


そうだねと言ったようにね。いや実に滑稽だな!


それで万事オーケーさ。そうすりゃ誰も傷つかないだ。


誠実にしていれば、僕は嫌われることはないんだ。


だけど僕はいつだって傷ついて、怒っているんだぜ!


あいつらが僕の秘密を知ったら一体どんな顔をするだろうな。


きっとビックリして、一瞬にして後悔するだろうな!


そうしたらみんな僕から離れていくんだ。どうしたってそうなんだ。


どうしたってそうなんだぜ。もしくはなんとも思わないかもしれないな。


これは僕が誠実でいられるかどうかのゲームなんだ。きっとそうなんだ。


誰かが僕を試しているとしか思えない。そんなことは信じないけどね!


なんでそんな面倒なことをするかって?


僕は愛されたいからさ。たとえそれが作り物の愛でもね!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

人にやさしく @3923H

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ