異世界転神!?ニャルラトテップ
モンド・エド
第1話
夏期休暇。
室内で生きる引きこもりな私にとって冷房の効いた部屋は最高だ
エアコンは神が人にあたえた知識に違いない
オンラインゲームで違う自分を演じる心地よさもあいまってもう死んでも良いと思う
しかし寒くなってきたケトルでカップ味噌汁でも食うかね
[少女(25)は味噌汁を作った!]
「アッツゥい!!」
『おめでとうございます!貴女は選ばれました!』
「…え?…なを?」
気がつくとソコは何もない白い空間だった
『私は貴方のイメージする女神 “を形作った邪神です”!』
「は、女神様?」
『はい!女神(邪神)です!』
なんだ、どういうことなのだ
自分は味噌汁を飲んだらよくわからない空間で女神を自称する人(?)と話している
「どういうコッチャ」
『貴女はアツアツ味噌汁を口に運び、熱さに驚いて味噌汁を9割残したままイスから転倒後に後頭部強打により死亡いたしました!(ニッコリ)』
「なるほど、つまり味噌汁ふーふーしなかったから死んだと」
『はい!死因は味噌汁ですね!』
花の25才、女、花子は今日、味噌汁で死んだ
…泣きそうだ、こんな事が起こっていいのか、責任者はどこだ
「…私じゃん」
『?』
女神、が信用出来るのか…大体の作品だと女神が良かった試しがない気がするし
ん、でもさっき選ばれたって言った?
「すいません、選ばれたって何ですか?」
『はい、貴女は神になる権利を得ました!』
「神~…様になれる?」
『はい!』
ぼた餅すぎてついていけない
神になれる?ホワイ?
味噌汁で死んだら神になった?ワッツ?
『貴女はこの世界とは別の世界へと赴きその地で神となっていただきます!』
異世界ktkr!
マジっすか異世界っすか出来たら中世ヨーロッパ系ファンタジー世界が良いです
あ、でも神様として行くのか
どうなるんだろ
『ではこの三つのボタンをどれかひとつ押してください!』
「え、何ですかコレは」
『ボタンによって世界へ移動して神になります!』
アナログなのかハイテクなのかファンタジーなのかワカンネェなこれ
しかも3つともまったく同じボタンじゃん
コレ行く世界実はひとつなんじゃないの?
…
「せっかくだから私は真ん中を選びます」
ポチ
押したとたん私は森の中に立っていた
キョロキョロと辺りを見回してから空をみると、そこには自分の知る月よりも3倍は巨大な月が夜を照らしていた
私は顔を落とし、しばらくして思った
(体がある!)
概念とか見えない神様をイメージしてたけど普通に身体あるのね
…いや、て言うか…
自分の身体を観察してすぐにわかった
黒くミイラのように痩せながらもヌラヌラとした柔らかい質感の肌
人の形ではあるが骨の様なものは無く
頭部は登頂部が尖り、雫思わせるフォルム
指は自在に増やせ、首には縦に口がある
コレは…まさか
いや、そんな事
その姿には“見覚え”があった
だからこそ否定したくなる
私は走り出した
水の聴こえる方へ走り、小さな川にたどり着くやいなや、水面で姿を確認して理解した
「は…はは、まさか神は神でも【外なる神】とはね」
その姿に間違いなく、かの有名なコズミックホラー小説の神話生物
名状しがたい者共のトリックスター
這いよる混沌
花の25、花子は、異世界で神となった
【アウターゴッド・ニャルラトテップ】として
「邪神なんて聞いてない!」
(言ってたが聞いてない)
「ありえない、ありえない、よりにもよってニャルラトテップ…」
泣いてるが泣く機能が身体に無いらしく涙が出ない、悲しい
「絶許真面殺」
私は(逆恨みで)女神をブッ飛ばす事を誓った
しばらく体育座りで川眺めながらどうするか考える事にした邪神は声は発せられないが、ぶつぶつ言いながら結論を出した
「とりあえずこの世界を知ろう、そこからどうするかきめよ」
その顔からはまったく表情が読み取れないが決意があるように見えなくもないような気がしなくもない
そんな決意を新たに朝日が昇る
「この世界初めてのあsギャアアアアアイアアアアアアアア!!!」
[ニャルラトテップは日光に弱い事が判明した!]
この世界で初めての朝はとても攻撃的でした
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