第7話~おっさんとギルド~

「さすがだな!ぼうず!」

突然俺の肩をたたいてきたのは

先ほど俺をヤジを飛ばして

いかいついおっさんだ。


「いや~それほどでも~」

とりあえず形だけの謙遜はしておく


「謙遜なんかすんなって

ぼうずのおかげで

1000ゴールドが

10万ゴールドに化けたぜ?」


倍率100倍とは・・・大半の人が

俺が勝てないと予想したのか

まあリーナはそれほど信頼されている

ということの証明でもあるんだが


「そういえばおっさんはどうして

俺に賭けたんだ?」


町の人は大半がリーナに賭けた中

このおっさんは1000ゴールドといいう

中々の金額を俺に賭けた

その理由が分からなかった


「力量なんてもんはな

一目見りゃわかんだよ、

一目見ておめーのほうが強い

と感じたからから賭けただけだ」


いや、普通は一目見ただけじゃわからない

俺は剣と剣を交えてその太刀筋で

相手の力量をある程度計ることが

できる、がとてもじゃないが一目

見ただけじゃ相手の力量なんてわからない

実はこのおっさん実はかなりの実力者

なんじゃないのか?いかつい顔してるし


「おっさんは何者?」


とりあえず直球で聞いてみるのが

一番であろう


「何者かなんて教えたら

つまらねーだろ?ぼうず

こういうのは次の会ったらの

お楽しみにとっておくもんだぜ?

また会おうぜ!ぼうず」



そういっておっさんは俺に背を向けて

去っていった


「なんなんだろうかあのおっさん」


いったい、いつ会うというのだろうか

まあこの町の住人だったら会うことあるだろうけど



「そうだーぼうずーおめのーの神域技

はまだあんなもんじゃねーぞーー」


姿は見えないが遠くでおっさんが叫んでいた

なんでそんな意味深なこと言ってくるのだろうか

やっぱりあのおっさん只者じゃないよな


「神域技見事だった」

リーナが少しふらつきながら近づいてくる


「リーナ大丈夫か?」


「ああ、先ほど回復薬を飲んだ

じきに効いてくるはずだ」


「そういえばリーナなぜ俺の技を一目見て

神域技だとわかったんだ?

ぶっちゃけ、俺はあれが神域技なのか

自信がない何か特徴でもあるのか?」


「実は三度ほど神域技を見たことがあってな

うち一度は対峙したことがある

その時に感じたものと同じものを感じた

実際、君の一刀は神域技でなくては説明できない

破壊力と速度を持っていたしな」


「なるほどねー」


神域技は突然使えるようになると

聞いたことがある、あの時頭をよぎったのが

それなのかもしれない


「それよりも先ほど何を話していた?」


「あのおっさんと?ああ、なんか

俺のおかげで賭けに勝ったとかいう

話だけど?」


「おっさん?まさかしらないのか?」

知らないも何も教えてくれなかったし


「なにが?」


するとリーナは大きくため息をついた


「君は本当に世間知らずだな

あの人は王国騎士団長だ」


「へーそうなんだ」


「なんだ?驚かないのか?」


まあ何となくそんな感じがしていた

なんか言ってることが、只者じゃない感

満載だし、俺にアドバイスするところなんか

私は実はすごいです感があふれ出てた

その正体が騎士団長だろうが、

俺の予想の範疇から出ることはない。


「まあ、何となくすごい奴だとは感じていたからな。」


「ふむ、そうか、それより私はそろそろ

帰らせてもらう、このままでは明日業務に支障が

ありそうなのでな。」


「そうか、お大事に。」


「では、握手を」


「おう」



俺とリーナは握手交わした。



「また会おう」


そしてリーナは人ごみの中に消えていった


しかし色々なことがあったな

しっぽを掴んだことが原因で

殺されそうになり

そして決闘する羽目になって

そして勝利した


しかしほんとに疲れた

少し早いが宿に帰って

ゆっくりと寝るとするかな


「うむーーーー帰るか」


俺は体をおもいっきり上に伸ばす


「俊太ちょといいかな?」

「なんだよ人がリラックスしているときに」

「そろそろ顔出したら?」

「どこにだよ」

「そりゃあそこだよ、ギルドだよ」






◇◇



ーギルド クロツグミー


ここはこの町の異世界転移者中心

に作られたギルドだ

ギルド名は渡り鳥の名前から

きているらしい


実は俺、ここ最近宿にずっと

引きこもっていて

ギルドの内情はよく知らない

ギルドができたのだって

健太から聞かされるまで

何も知らなかった


「なんかな~」


何か気まずい

みんながせっせと、働き

ギルドを作っていったのに

とうの俺は部屋に引きこもって

いたのだから

ショックを受けて引きこもっていたの

俺だけではないが

協力しなかったの紛れもない事実だ


「さあついたよ、ここがギルド本部だよ」




モダンな雰囲気を感じさせる

赤い屋根が特徴の木造2階建ての

ギルド本部 正面にはでかでかと

ギルドのマークであろう鳥のマーク

の旗が掲げられていた


しかし気まずいななんか文句でも

言われそうな気がする

まあここまで来たら入るしかないんだけど


俺は意を決して扉を開ける



「おう俊太大丈夫か?」

「気持ちの整理はついたのか?」

「あまり無理しなくてもいいのよ

私が相談に乗るよ」


俺の周りに集まったみんなが

言ってきたことは愚痴や悪口ではなく

俺を心配する優しい言葉だった

なんか感動的だ

俺なんかのために

なんて優しい言葉を

投げかけてくれるんだ…



「みんな!!」


俺は泣きながらみんなと

熱い抱擁を交わした


だがよく考えれば

引きこもったせいで

こいつ等の名前なんか

知らないが俺は、

気にせず熱い抱擁

を続けた

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