プロローグ2~仮想現実~

――――――ここは?どこだ?

徐々に意識がはっきりとしてくる。

まず最初に手を見るそして手を動かす。


「すげー! まじすげー!」


思わず声が出る。感動ものだ


次に顔を上げ、あたりを見回す。すると―――

一面の銀世界。俺は思わず息の飲む


「これが仮想現実? 信じられないな・・」


息を吐けば白くなり空に消えていく

雪を踏めばサクサクと気持ちのいい音がする

雪景色どおりの寒さ、感触、感覚、まさに本物ようだ

しいて言うなら寒さが少し足りないかもしれないが・・ 

俺はしばらくそこに座りこむことにした


―――30分ほど見とれていただろうか。

さっきまで降っていなかった雪がしんしんと降りだす。


ちなみに俺はこの後、友人と合流する約束がある。

フレンド登録しておけばすぐにフレンドのいるところに

合流できるらしいので俺はただただ待てばいい

「そろそろかな?」

集合時間ちょうどになったとき、うすっらと人影らしきものが現れ

それがだんだん濃くなっていき人の形をかたどっていく

(俺もこういう感じで登場したんだな・・・)


そして俺と同じような行動をとり友人が一言

「すげーーーー!!」

まあそうだよな始めてだったら誰だってそう叫ぶさ


「よう俊太!このゲームすげーな!ぱねーな!まじでパーリーピーポーだな!」

「なんかおめーテンションおかしくね?」

「おかしくねーーーーよ、ひゃあああああああっはあああ」

いや、明らかにおかしいだろ・・・と思いつつ

俺は無言で友人の人中に一本拳を叩き込む。

無論友人は悶絶 「のおおおおおおお!!!」

「正気の戻ったか?」

「あ・・・うん・・なんか自分テンションおかしかったみたいだね」

「そうそうそれがいつもの健太だな、ただいま健太」


『山田健太』俺の友人。幼稚園から友だちで小中高と同じ学校に通っている

身体能力と学力はごくごく平均的。性格は優しくまじめだと思う。

意外なことに槍術を習っているところとたまにテンションが

おかしくなるところを除けばどこにでもいる高校生ではないだろうか?


「ねえ?そういえばなんで殴ったの?」

「それはな健太・・そこに人中があったからだ!!」

「どこの登山家だよ!!」

ナイスツッコミである流石竹馬の友!

「まあすまんかった、でもそこまで痛くないだろう?」

「ああそういえばたしか急所に拳食らった割には痛くないね」


おそらく痛覚だったり寒さだったり人が不快に感じる感覚は

ある程度抑えられいるのではないのだろうか?


「まあそんなことよりさ街に行こうぜ 一面雪景色もいいけどさせっかく

この世界来たんだ楽しもうぜ」

「そうだね、ほかのプレイヤーとかNPCにも会ってみたいしね」

「さあ出発だーー」 

俺たちは少し小走り気味で街に向かったのだった






ー雪の町ユリスガーデンー

この町は冒険者が最初に訪れる町。

人口3000人ほどで、宿屋、武器屋

アイテム屋、情報屋、など冒険者に必要な店は一通り

揃っているので初心者にはとてもありがたい町といえるだろう。



ちなみにここで初めてキャラメイク?ができる。

この町に着くまで俺たちは短パン半ズボンの人間族・・・

普通は始めたときにキャラメイクできるもんじゃないのか?

そんな疑問を持ちながら早速キャラメイクできるところにたどり着く


「キャラメイクか・・まあ勝手に作られるだけだけど」

「純一はどの種族になりたい?」

「俺はそうだなー人間でいいかなとは思っている」

 健太は少し呆れた様子を表す

「せっかくの仮想現実なんだからもっと夢を持たなくちゃ」

「あん?現実でもおれはパーフェクトヒューマンだからね?

夢なぞもたなくてもおれはいいんだよ!俺は仮想現実で

背伸びしなくてもありのままで完璧なんだよ!!」

そう俺はパーフェクトヒューマンなんだ・・・


何故か健太が俺に憐みのの目を向ける

なんだその目は?俺にそんな瞳を向けるな

俺はおかしな奴なんかじゃない!見るな見るな!


「そ・・そんなことよりさ健太はどの種族になりたいんだ?」

「僕はそうだね、やっぱりエルフ族!」


そういえば健太は昔からエルフ大好きだった

エルフの薄い本とかもいっぱいある。


「健太さん~エルフ族になったからってエルフ娘と

イチャイチャできわけじゃね~すよ~」

「べべべべつにそそそんなこと期待してるわけじゃないからね?」

そうかそうか期待してるのかわかりやすい奴だ。

「まあまあとりまキャラメイクしましょーぜ」

「あ・・・うんそうだね」

そして俺たちはキャラメイクというかキャラ自動生成をするのだった

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