第31話 怪盗が来る -9

俺たちは殺人が行われた場所にて全員を集める。


「それで、ここに集めたと言う事は」


「はい、事件が解けました」


俺は刑事の言葉と続きを言う。

そうだ、ここには俺たち探偵部と刑事、事件の容疑者三人。

俺たちと言うよりシャロ、瑠奈、黒子たちの推理を正す時間だ。大勢の視線を集めるがここは部長らしく。


「さて、皆さんをここに集めたのは事件の解決を行います。まずは事件を起こした殺人の凶器を説明します」


部長の役目はここで終了。目線を向け瑠奈が前に出る。


「はーい、凶器は簡単。これ」


瑠奈は右手のボールペンを見せる。

『だから、なんだよ』って目線が凄いわかる。


「わかるわかる。このボールペンがなんだって言いたいよね。けどこのボールペンこそ真実」


瑠奈の言葉、ボールペン。

「まず、このボールペンのインクの先端に神経毒を塗っておく。これによりボールペンとしては使える、そして人を殺せる立派な道具の出来上がり」


笑みを瑠奈。その反面周囲は顔を強張らせる。


「このボールペンの先端、三角錐の部分を少し緩ませる。お尻を推せば壊れるぐらいに」


瑠奈は実演を見せながら言うものも周囲はクエスチョンマークが頭の上に見える。

だが、ここから皆の顔は変わる。


なぜなら、瑠奈が狙いを定めたボールペンはまっすく飛び刺さったのだ。


「ほら、これで飛んだでしょ」


~+~+~+~+~+~+~+~+~+~+~+


「さて、ここからは私の番でいいのかな?」


瑠奈の殺人トリックの説明は終わった。

これで殺人方法はわかった。だが殺人には動機がいる。

動機を説明するのは難しい。だが、その説明をしてくれる者がいる。

それが黒子だ。


「この事件の動機は簡単、怨恨」


黒子は皆の前に立ち、注目を集める。


「怨恨はわかった、だが怨恨でも色々あるだろ」


「その怨恨は人を殺すほどの恨み、妬み、嫉妬どれもあるでしょうね。だけどここでの動機は仕事での恨み」


刑事は言葉を詰まらせる。

そして、この言葉に反応する者。


「さあ、今反応した警察にはわかったようね。仕事による罵声なんて日常茶飯事、暴力も何度振るわれてかわからない」


黒子は俺に目線を送る。

やる事はやったと事だ。


「残るは犯人の名を言うだけですね」


俺は一歩前に出てシャロにアイコンタクトを送る。


「┉┉えっ?」


なぜかキョドるシャロがいました。

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