蕾花を待つ
至 観希
序
主を
序
澄みわたる
どれだけ風が吹こうと、
風が止み、肩に背中にふわりと波打つ髪が落ちる。
こんなにも苦しいのに、この体と心は感じることをやめてくれない。
こんなことが起きたというのに、なにごともなく世界は流れていく。
視界の果てに、ゆらめく影がそこにあった。
けして表情は見えないはずなのに、うっすらとその者が
胸の内が熱い。じりじりと
やがて影は視界から消えた。
そして入れ替わるように群衆の足音が近づいてくる。たしかに人のものなのに、異様に規則的に響く音とともに胸がざわめく。大地のふるえが体を揺らし、
涙も心も枯れ果てた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます