地球温暖化

「母なる地球が悲鳴を上げている!」

 環境学の先生がそんな事を言っていた。

「何の話だ?」

「さあ?」

 カゲトとこそこそ話をしている。というか、周りはみんな雑談中。悲鳴を上げているのは先生の方じゃないの?

「みなさん、二酸化炭素を減らしなさい。地球の温度が高くなるばかりです。ああ、このままではこの町も水没してしまうっ!」

 誰も聞いてなのはかわいそうなので、俺とカゲトは黙って講義に集中することにした。

「いいですかみなさん。これ以上ガソリンを使ってはいけません! 割り箸もビニール袋もいけません! 地球のために、あらゆるものを節約するのです!」

 この先生、加速すると全く止まらない。


 まずは氷河期の解説からだ。

 地球って、これまでに最低でも5回は氷河期を経験してる。最後の氷河期は、7万年前に始まって1万年前に終わった。これは最終氷期って言う。人類の誕生は500万年前だから、俺たちの先祖は酷い寒さに頑張って耐えていたんだろう。

 なぜ氷河期の話が必要かって? それを話そう。

 氷河期と氷河期の間の時代は、そのまんま間氷期って呼ばれてる。実は今の時代がこれに該当している。

 となると、次にまた氷河期が来てもおかしくはないんだ。寒くなったり熱くなったり、地球って忙しいな。氷河期が終わると海水面が下がる。こっちも忙しい。

 最終氷期から今の間氷期まで(1万8000年前~6000年前)に、海水面は120メートル上昇したって研究結果が出てる。120メートルだぞ? 初代ゴジラが2体いても、まだ届かない。そしてもっと上昇するらしいぞ。

 ここで覚えてほしいのは、人間が工場で二酸化炭素を出す以前からそれだけ上昇してるってこと。言い換えれば、海面上昇は地球としてはごく自然の現象ってことだ。そして上昇しているのは、間氷期だから。きっとまだ折り返し地点じゃないんだろうぜ。

 つまりは、いくらガソリンを節約しても、割り箸やビニール袋を使わないとしても、海面上昇は止めようがないんだ。まあ一応、ガソリンの節約は化石燃料の節約になるし、割り箸は廃材からできてるから使った方がむしろ良い。ビニール袋は使わないに越したことはないけれど…。それらは地球温暖化防止には関係、無い!

 まだ信じられないって人に実験だ。

 コップを用意してくれ。そのコップに水と氷を、氷が水に浮くように入れてみよう。そしてちょっと待つ。

 氷は融けるさ。でも、水面は上昇しているかな?

 北極の氷が融けてるって言う人もいるけど、そりゃあそうだ。北極では夏に氷が融けて冬に水が凍るんだもの。

 では二酸化炭素って、何者なの? それも説明しようか。

 確かに二酸化炭素には、温室効果はある。地上から宇宙への熱の拡散を防ぐ。でもそれって、メタンやフロンにも言えることだ。二酸化炭素の排出量が多いだけで、メタンたちの方が効果は強い。それに二酸化炭素、増えたところで植物が光合成に使って終わりだ。

 しかしまだ、って人にトドメ。沿岸部じゃないところにどうして貝塚があんの? アレ、人類が氷河期に活動していた証だけど、その時の貝塚の周辺は海だった。古代人がわざわざ、海のゴミを内陸で捨てるか? 氷河期が終わって海水面が下がったから、内陸部で貝塚が発見されてるんだ。

 ちょっと複雑になったから、要点をまとめよう。

 地球温暖化は止められない。これは地球の自然現象だからだ。

そして氷河期が終われば海水面は下がる。間氷期になると逆に上がる。これも止められない。

 二酸化炭素は地球温暖化の犯人じゃない。

 ここで疑問に思うのが、どうして二酸化炭素が悪者にされてるのか。これにはれっきとした理由がある。

 地球温暖化問題が取り上げられた時に、某平和賞受賞者が「二酸化炭素濃度が高くなると地球の温度も上がる」って言った。この時から犯人扱いされている。

 これには狙いがある。エコカーとかエコポイントとか、金になるのだ。そしてその金は、米の国に流れていく。そう言えば某平和賞受賞者も、米の国の人だったっけ?

 米の国の策略はまだ終わらない。人間が活動すればどうしても二酸化炭素は出てしまう。発展途上国に対して米の国が「出すなよ」って迫る。そうしたらその国は、それ以上発展していくことが困難になる。いづれ大きな国になりそうな途上国には、早い段階で足かせを付けておくってことだ。

 地球温暖化の原因は、本当の最初は牛のゲップって思われてた。どうせ止められないし、俺たちが生きてる間にいきなり環境激変なんて起きやしないよ。ゲップ程度の認識で気楽に行こうぜ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る